私と本について

 私は本が好きだ。本の中でも特に小説が好きだ。私と本は切っても切り離せない関係にある。


 幼稚園の頃。

 隅っこで絵本を読んでいたら、「友達と遊んできなさい!」と追い出された。本を読みたい気分だったのにも関わらず。


 小学生の頃。

 友達と遊ぶより本を読むのが好きで、ひとりでいたら、「いじめられているの?」と心配された。ご心配なく。最も本に影響を受けていた時代で、画用紙でキリンを作っても一片たりとも動かなくて落ち込んだり、読んだスポーツをやってみたり、その時々で憧れている主人公に合わせて髪型を変えたりしていた。


 中学生の頃。

 友達より本が好きだった。現実を忘れて、本の世界に入り浸っていた。「面白いの?」。その質問は、その本に対してではなく、本を読むことに対してだった。数学についての本に嵌って、数学の方の道に進むと決めた。


 高校生の頃。

「本好きの人って、自分から世界を閉じている気がする。話しかけるな、って」。

 同級生に言われ、反論できなかったのが悔しかった。


 なんで理解してもらえないのか。

 読む本は量か質かでたまに議論になっているが、私は量も質もあまり考えたことがない。新しい本を読みたいから読む、続きが気になるから自ずと早く読み終わる。好きな本を何度も読みたいから読む。

 そのくらい単純である。


 ただ、私は本を深く読むというのは好きな本以外あまりしなくて、新しい物語やストーリーを、ドラマを見るように楽しむ感じ。

「本、好きだね」

「なんでそんなに読めるの?」たまに聞かれる。ゲーム好きの子に聞かれたら、

「多分、ゲームをやる感覚。あるから読む、読みたいから読む。続きが気になるからあっという間に読み終わる。」

と答える。


 ゲームや漫画や映画。なんでも良いが、それに「何かのため」を求めるのか?なんで読書にだけ求めるのか、謎だ。

 楽しいから読む。そのことを理解してもらえたら。そして、胸を張ってそう言えたら。

 そんなことを思う今日この頃の私。

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