第7話 鬼神

「あんまおいしくねえなぁ。」

「空也を食べた!?」

「空也様っ!空也様も鬼くらいに…」


その時、鬼くらいは急に苦しんだ。

「なんだ!これはっ!苦しい…うぅ…」


ドカン!


そんな音を出して鬼喰らいの声は聞こえなくなった。


そこに見えたのは鋭く反り立つ角を持ち、金棒を持った鬼…いや、人だった。



「鬼神…様…」

「白夜殿、鬼神というのは?」

「鬼族に伝わるお伽話のようなものです。私の村の村長ですら鬼喰らいを倒すのに苦戦したらしいのですが、昔鬼喰らいを1発で倒した鬼を鬼神と呼んでいるんです。鬼神の血筋の者はその力を受け継いでいるとも聞いたことがあります。」

「もしかしたら空也が…?」



「何ぺちゃくちゃしゃべってんだ。俺は鬼喰らいだぞ、鬼の子如きに殺されるかっ!」

「死ね。」


その言葉が聞こえた瞬間鬼喰らいは消滅した。

妖気も感じられない、完全な消滅。


伝説金棒を腕に抱え空也は横たわって倒れていた。

空也は琥珀に助けられたらしい。

空也も本当のことは気づいていない。

その頃の記憶がないそうだ。

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