第6話 鬼に金棒
「白夜ちゃん…だよね。白夜ちゃん、もう一度村に戻ってみないかい?」
「空也っそれは…」
「はいっ!お願いします!私も本当にまだ生きている仲間がいないとは信じきれないので。」
白夜が食い気味に言ってきた。
「よしっ!琥珀の転移の術で村に行こう!僕も村がどんなのか知りたいしね。」
「ここが村か…」
「はい、私の村は少し前まで活気のあったいい村だったのですが…」
「空也、あれはなんだ?大きい妖気の塊がある。」
「あれはっ!??」
そこにあったのは大きい金棒。
「これは金棒か…?」
「私…知っています…村の言い伝えで、昔鬼族を鬼喰らいから守った初代族長が次に鬼喰らいから鬼族を守る方に初代族長が妖力のとても強い方しか抜けない金棒を刺した…と……」
「空也はできるんじゃないか?超級の私よりも妖力が強いんだから。」
「抜いてみるか……」
「「………え?」」
それはそれはとても軽かった。
本当に言い伝えにあるような金棒なのかと疑うほどに…
「これはすごい全ての棘に妖力が込められている…」
「これそんなにすごいものなの?」
「これこそ鬼に金棒と言えるほどの強さだよ。」
琥珀はまるでオタク特有の早口のように解説をした。
「本当にこれがその伝説の金棒なのか…」
ーーーーーーーーー
「なんだ?美味そうな鬼の匂いがあの村から匂うようになったぞ?」
ーーーーーーーーー
「ねぇ琥珀…ここ鬼喰らいが荒らしてったんだよね?」
「はい…」
「ここ荒らされたのっていつ頃?」
「つい昨日…」
「じゃあさ鬼喰らいって…」
「見ぃつけたぁ。」
ドスのきいた声が聞こえる。
これはフラグ回収が早かった、いや早すぎだ。
「琥珀…どうする?」
「戦うしかない…ね…」
「くそぅっ!なんでこんなにすぐ来るんだよ!」
ん?どしたどした?
「もうすぐで俺が完全な怪魔に……あれ?体が…震えてきた!震えてきたぞ!これで俺も完全な怪魔だぁぁっ!!!!」
現れた時は話に書いたように10m前後の大きさだった。確かに。でも、今見える鬼喰らいは少なくとも20m…いや30mほどある。
「琥珀…怪魔になると強くなるの?」
「まぁ計算上は強くなるな…」
「やばいこれ死ぬどころで済まされないかも。」
「ぺちゃくちゃほざいてんじゃねぇ。」
鬼喰らいは思い切り手を振り落とした。
そこは目を開かなくなるほどの強い風、手を振り落とした勢いで禿げた森。
「いっけねぇ、木霊の森には手を出さない約束をしてたのに禿げさちまったじゃねえか。」
「ぐふぅっ!」
鬼喰らいに強く握られ空也は気を失う。
「いただきまぁす!」
空也は鬼喰らいに食べられてしまった。
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