第2話 混血

「ここが妖怪抹殺委員会の拠点です。」


司さんに拠点と言われてついていったところは山の中だった。

山の中といっても山の麓にある廃トンネルから繋がっているまるで秘密基地のような場所だ。


「おー司っちおかえりー。」

「志那さんただいま帰りました。」

「もぉ〜お堅いんだから〜。ん〜?新入りくんかな?」

「はい。鬼族の子の天馬空也くんです。」

「おぉ〜空也くんね〜。私は秤志那はかりしなです〜。支那ちゃんって呼んでね。」


彼女は秤支那と言った。金髪でいかにもギャルのような女の子。年は同じ位かな。


「僕は天馬空也といいます。高一です。支那さんよろしくお願いします。」

「そんなかしこまらなくてもいいよ〜。タメだし。」

「タメ?支那さんも高一なんですか?」

「敬語やめて〜。司っちはそういうキャラだからいいけど、タメの子に敬語使われるとか苦手なんだ。」

「すみません。いや…ごめん。支那さん」

「呼び捨てでいいよ。私も空也って呼び捨てするし。」

「わかった。支那。」


司さんがニヤニヤしている。


「何ですか、司さん。」

「いや〜、仲良くなるの早いですね〜。」

「茶化さないでください!」

「いや、すみませんすみません。」


そう言ってみんなで笑い合った。


「支那たちの親も妖怪なんだよね?」

「うんそだよー。私のお父さんが天狗というのは聞いたことあるよ。」

「僕の父親は雷様って母親が言っていました。」

「司さんの父親が雷様か〜。雷系の技とか使えそう。」

「使えますよ?指に妖力を集めればそこから電気を発生させることができます。」

「私は風を起こせるよ〜。天狗だからね〜。というか、空也は妖力で何ができるんだろ?親が鬼族ってことは…なんだろ?」

「空也くん、妖力の使い方を覚えましょう。」


司さんから妖力の使い方を教えてもらった。

まず、集中しながら手に力を集めるように考える。そしてそれを体内から出すように考える。


「特に変わりないな。もしかして僕には特殊能力がない!?」

「それはあり得ません。何かしらできるはずです。」

「鬼族ってことは〜、怪力になるとか?」

「空也さん試しに壁をこの木を思い切り殴ってください。」


木を思い切り殴った………!?

なんと、木が跡形もなく散り散りになった。


「これはやばいね〜、怪力といっても化け物すぎるチート能力じゃーん。」

「妖力による力は全て怪魔に効くので、空也くんは即戦力になりますね!」

「なんか思ってたんと違う…」



「そういえばこのグループの名前、妖怪抹殺委員会だけど他にメンバーはいないの?」

「………………」

「いないのね。2人だけなのに委員会?」

「語呂が良かったから……」

「それだけかよ………」


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