妖怪抹殺委員会
創意工夫
第1話 妖怪抹殺委員会
僕は、
寺の息子という理由もあるのか、見えては行けないものが見えている。
幽霊とは異なる妖怪のようなもの。
そんな俺は今、謎の男に話しかけられている。
「天馬空也くんですか?」
「めんどくさいんで、そういうのやめてもらえませんか?」
「わかりました。なので、単刀直入にいいます。」
「はい。お願いします。」
「あなたの父親のことについて知りたくありませんか?」
「僕の父さんのことを知っているんですか!?」
僕の父さんは僕が生まれる時に死んだと言われていた。
母さんに父さんのことを聞いても何も教えてくれないので、ずっと不思議に思っていた。
「はい、知っています。でも教えるのに一つ条件があります。」
「条件って何ですか?」
「条件というのはですね……私の計画に協力することです。」
「計画が何かわかりませんが、できることならさせてください。」
「わかりました。あなたの父親のことは私の計画にも関係しているので一緒に話します。」
「はい………お願いします…………」
「あなたの父親は………妖怪です。もっと詳しくいうと鬼族です。」
「え?いくら何でもそんな………」
「今から言うのは嘘じゃないのでちゃんと聞いててください、私は妖怪が使う妖力が見えます。あなたは人間とは思えないほど妖力が多い、あなたの父親は妖怪というのは分かりましたが何故鬼族だとわかったのか、それは……」
謎の男はそのまま言い続けた。
たまにいる、人間と妖怪の混血の子供、それでも妖力は下級の妖怪よりも少ないそう。
でも僕の体内にある妖力は上級の妖怪の鬼族の特徴的な妖力に似ていて、妖力もすごく強いらしい。
「そういえば申し上げていませんでしたね。私は
「司さん、それで計画というのはなんなんですか?」
「司さんではなく、司と呼んでください。一応年は一緒なので。」
「あ、そうなの?まぁいいけど、計画は…?」
「そう、計画というのは妖怪を抹殺することです。」
「え?妖怪?でも妖怪って全部が全部悪いやつじゃないでしょ?」
「はい、妖怪でも人間に悪影響を及ぼすものを怪魔といいます。怪魔は僕達が定める七代妖怪の1人、白山坊という方が産んだ妖怪とは別の存在です。白山坊様自体は笑い方ではないのですが、産み出した存在の怪魔が悪いことをしたのです。」
「で、その怪魔を抹殺するということですか?」
「簡単に言っちゃうとそういうことです。でもこれだけは話さなければいけません。白山坊様が産み出した最初の怪魔、白鞘ノ
「わかりました。でも妖怪を殺し尽くしたって悪いことなんですか?妖怪の中にも悪いやつはいるんですよね。」
「妖怪は人間と支え合って暮らしているので決して欠けてはいけない存在なんです。白鞘ノ雨は白山坊様の力を受け継いでいて怪魔だけではなくなんの罪もない妖怪すらも操って利用しているのです。」
「それで白鞘ノ雨をもう一度止めるということか…手伝おう。」
「いいんですか?」
「うん。司さんの言葉は嘘とは思えません。」
「ありがとうございますっ!!!」
最初とは大分雰囲気が変わった。最初は紳士っぽく振る舞っていたのに…
「実は私も混血なのです。他にも私を中心に混血の子供たちで作ったこの妖怪抹殺委員会に…」
「わかった。僕、手伝います。」
そこから僕の奇妙な生活が始まった。
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