第5話
「僕にカレーを食わせろー」
「なんだ?筋○か?」
「……椎名、よく知ってるね」
「お前が中学の時のクラスのカラオケ大会で歌っていただろうに……」
「ははは、あれ?そうだっけ?ははは……」
「まったく、なんだ、今日のテーマはカレーか?」
「そうだね、カレーの話でもしようか。カレーほど奥深いものもないかもしれないしね」
「それじゃ、最初の話題としてはお前のうちのカレーは何肉だ?」
「なるほど、カレー三大肉問題だね。いや、カレー肉天下三分の計……ねぇ、椎名。名付けるならどっちが良いかな?」
「そこ大事か?大事なのはお互いの家のカレーは何肉なのかってことじゃないのか?」
「ほほう、そんなに僕の家のカレーのお肉が何肉なのか気になるかい?ふふ、どうしょうかなぁ、ふふふ……知りたい?」
「……別に。俺んちは豚肉だ」
「素直じゃないなぁ。へー、そうなんだ。因みに僕んちは牛肉だよ」
「まぁ、俺はどっちでも構わないんだけどな」
「ははは、僕もビーフオアポークオアチキンなんでもオーケーさ」
「あぁ、でも俺は挽き肉のカレーが何気に好きかもしれないな」
「ほう、キーマカレーかい?確かにかたまり肉のカレーも良いけど、どこを食べても肉が混ざる挽き肉のカレーも良いね」
「だろう?」
「あと、大事な問題は……シャバシャバかそうでないか……これは大きな問題だね」
「あぁ、スープっぽいカレーとちょっと水分少なめのドロッとしたカレー、どっちが好きかってことか?」
「そうそう、椎名はどっちが好き?」
「うーん、あんまり気にしたことはないなぁ。でもうちの家の人間はどっちかと言えばドロッとした方を食ってる気がするな」
「へー、そうなんだ。僕はサラッとした方が好きかな。二日めのカレーとかも多めに水を足して温めてスープカレー程サラサラにはしないけど、シャバシャバのカレーにして食べるね」
「へー、まぁ、好みの問題だしな」
「そうだねー。それじゃ、今日は売店でカレーパンでも買ってこようかな」
「今日はお弁当じゃないんだな」
「そうなんだ。先に食べててよ、椎名」
「いや、それならついでに飲み物買ってきてくれよ。それから食おう」
「了解」
僕が席から立ち上がった時に、隣の席の美少女、鳴海 零さんのお弁当が見えてしまった。小さなお弁当箱の中のご飯の部分にはドライカレーが詰まっていたようだ。ドライカレーも良いよね!カレーを食べて空になったお鍋にこびりついたカレーが残ってしまって、勿体無いからご飯を入れて少し水を足してドライカレー作るよね!
……あれ?僕だけなの?嘘!?
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