第23話 デート♡


「えぇ〜私の作った服着ないの?」




「はい」



 当たり前だ。

 


「師匠から服を貰う」これだけ聞くと嬉しいのだが、メンヘラチックなことを言われたのだ。



 それだけではない。



 師匠の作った服は服は真っ白だった。

 こんなの色俺には似合わないのだ。



 だが、師匠は引かない。




「これからその服着てデートしよ!」




 デート……




「はい」




 やらかした。

 デートという単語を聞いた瞬間考えるよりも先に口が動いてしまった。




 俺が着終わると師匠は俺の手首を握りしめてきた。




「じゃあ今、行こ?」




 あ、まさかこれ…と思った時にはもう遅い。



 瞬間



 目の前に広がる光景は



 見覚えのある【大きすぎる木】に変わっていた




▼△▼




 ある探検家が言った

 あんな所探検などできないと。

 


 ある英雄が言った

 あそこでは私はただの凡人だったと。



 ある魔法使いが言った

 今の人類では早すぎたと。


 




 そんなふうに言われている場所


 

 通称【ペルルキアの森】



 由来は分からないのだが前に本で読んだことがある。


 そして来たこともある

 右腕が失った場所だ。 


 この8ヶ月俺は調べた


 自分が何処にいたのか


 なぜそこにいたのか。


 いた理由こそは分からなかったのだが、どういう場所かは分かった。


 一言で言うとすれば



 未知



 その言葉につきる。


 この世界のどの偉人でも分からなかったのだ。



 化け物がいるのだの、巨人がいるなど、様々な憶測が今もなお飛び交っている。



 こうなった原因はこの森へ行き帰ってきた偉人達が頑なに何も語らないからだ。



 なので謎に満ちている。


 

 そんな場所へまた来た

 いいや無理矢理行かされたのだ

 転移魔法というチートによって。




「師匠帰りましょ…」




 まだここに行く覚悟が決まっていないのだろうか

 この右腕がなくなった場所へ行くのが怖い。



 またあんな事が起きたら俺は……




「いやよ!せっかく来たから行くに決まってるでしょ」




 真っ向から否定してきた。

 そう言い師匠は背中を向け獣道を進んで行く。




「ちょ待って下さい!」




 ここで一人になったら終わりだ。

 帰る手段がない。

 仕方なく深呼吸し覚悟を決め師匠の後ろをついていく。




 

 

 





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