第10話 魔力測定機〜


 俺は治療中様々な本を見てこの世界の物をある程度だが覚えた。



 【魔力測定機】もそのうちの一つだ。


 

 だが、テルナが持ってきたのはとても【魔力測定機】だとは思えない様な形だった。



 俺の知っている【魔力測定機】は、もっと大きく都市に一つあるか無いかというほどとても貴重な物のはずだ。



 作った人はもう死んでおり、作り方はその人一人しか知らなかったのだため【魔力測定機】をめぐり、昔戦争があったそうだ。



 怪訝な目を向けていたら




「まぁまぁ見ててよ」




 その球体に手のひらを当てたと思ったら球体が少しずつ光りだした。徐々にその光が強くなり目で直視できない程にまでになった。




「え、ちょななな」


 


 手のひらを離したら光が弱くなっていった。

 何なんだ一体と思っていたら得意げに




「これ、私が作ったんだ」




 腕を組み胸が強調されているが気づいていないのだろう。



 こちらをそれはもう自慢げに見ている。



 一瞬思考が止まってしまった。 



 胸も気になるがこの人今何ていった?

 『私が作った』と聞こえたが聞き間違いだろうか……。



 まさかこの人とんでもない天才何じゃないか?




「どうどう?」




 とソワソワしながら感想を求めてきたので

 



「すごいです!」




 率直な感想だった。




「むふふ〜」




 凄く機嫌が良さそうだ。




「アオイもやってみる?」




 そう言われた。



 俺自身気になっていたことだ。

 魔法使いの弟子になったはいいものの、魔力が無かったなどとなったら本末転倒だ。


 

 怖いが意を決し恐る恐る手のひらを球体に添え同じ様にしてみたが………何も変化しなかった。



 あれ?



 まさか異世界人だから魔力が無いなんてことないよな…



 冷汗をかきつつ体感で1分ほど経った時、もう諦めようと手を離そうとした。


 

 するとチカッっと壊れかけの蛍光灯の様なそんな光りがした気がした。




「や……」




 嬉しさのあまり声に出しそうになったが、ぐっと抑えた



 だが、




「やったぁー!」



 そう言いテルナが俺へ抱きついてきた。

 


 やはり彼女も弟子をとったがいいものの、魔力が無かったらどうしようかと不安だったのだろう。



 少々ボディタッチが過ぎると思うけど…。




「あの…」




 流石に言いづらいが…




「ん?」




「あたってます…」




 やっと気づき




「っあご、ごめん」




 赤面した顔を両手でほっぺたにあて後ろを向いてしまった。

 



「…………………」




 お互い気恥ずかしくなり沈黙が続いたのだが、空気を変えるために

 



「これって光が強いほど魔力があるとかそうゆうのですか?」




 質問した。

 すると




「そうだよ」



 と何も無かったかのようにこちらを向き言ってきた。



 だとすると




「師匠って魔力の化け物ですね」




 と言ったら




「何その言い方」




 あ、ヤバ。



 怒らせたかと思ったが




「かっこいい!」




 と子供の様なキラキラした目つきでこちらを見てた。




 はぁ〜この人いまいち掴めないわ




















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