第9話 弟子とは


「アオイー飯まだか〜」




「後少しでできますー」

 


 

 と言い師匠をなだめ、料理に集中する。




「できましたよー」




 テーブルに料理を置いていく。

 

 

 師匠はというと、椅子に座りながら今にもよだれが垂れそうな顔をしていた。



 この、時折見せるこの無邪気な子供のような顔が俺は好きだ。


 

 などと考えてあるうちに全て料理が置き終わり俺が椅子に座ると同時に師匠が




「カルパ!」




 と言い食べ始めた。



 全くこの人はと呆れつつもこの見慣れたこの光景を見て俺は、大変だった半年間を思い出していた。







▼△▼







『気に入った!これからお前は私の弟子だー!』




 などと言われ最初は困惑したが、俺はここがどこかも分からないので頼る人もいないので




「はい」




 と、なんの弟子かも分からないが承諾したてしまった。



 最初の一ヶ月は治療でずっとベットの上にいた。

 

 

 俺は一ヶ月間ベッドの上で退屈だったので、テルナが持ってきた本を読んでいた。



 ジャンルは歴史や小説など様々。



 異世界ので初めて見るそれはとても刺激的だった。



 中でも一番印象深いのは約1000年前、この世界に魔法というものを作ったと言われている一人の女性の事について書かれていた本だ。



 彼女はこの世にある魔法の原理をすべて理解していると言われており、未だ生きているとも書かれていた。



 1000年前もの人がどうやって、生き続けているのだろうか。

 魔法で人間の寿命という壁をこえたとでも言うのか?



 気になり、自称魔法使いに聞いてみたら




『うん。生きてるよ。とゆうかあの方は生と死を超越してるから、生きているって言うのが正しいか分からないけど』


 


 と言われた。




 

 1ヶ月の治療は順調に終わった。



「ちょっとこっち来て」



 と言われそろそろ魔法を教えてくれると期待していたが、『掃除して』と言われた。

 何かニヤついているがこれはアニメや漫画で見たことのある、【だらけているけど実はちゃんと考えてますよ作戦】だと感づき片手でやりづらいが掃除をした。



 すると気を良くしたのか『必要な事だ』と言われあれやこれやと、気付けば一ヶ月もテルナの身の回りのことを俺が全てやっていた。



 ……



 おかしい


 

 流石にここまでやって、まさかただこき使われているだけではないだろうかと思ったが




「よし、やるか!」




 と突然立ち上がり部屋を出て自室の方へ行った。



 俺は一度もテルナの部屋に入ったことがない。先日俺が掃除の為に入らうとしたら

 



『ここはだめ!』




 と俺の目の前で叫ばれ、渋々諦めたのだ。

 

 

 出て行った扉の方を見ていたらテルナが扉を開け両手で、何か灰色の球体を重そうに持ちながら帰ってきた。




「よいしょ」




 謎の球体をテーブルの上に置き



「何だと思う?」



 質問してきた。



 面倒くさそうなので適当に



「木の実ですか?」



 と言ったら



 左手人し指を振りながら




「チッチッチッ〜」 




 挑発してきた。



 ムカつく




「何んですこれ?」


 


 面倒くさくなり質問したら、某【猫型ロボット】と同じ様な口調で




「魔力測定機〜」




 とか言い出した。




 この人大丈夫か?



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