第3話 えっほえっほ


 

「ひぃ!?」


 

 びっくりし過ぎて尻餅をついてしまった。

 


 まさかずっとつけられてたのか?

 全く気づかなかった。



 初めて本物の恐怖を味わった。


 恐る恐る顔を上げ、それを見てみると青紫色の気持ち悪い生き物たちがこちらをあざ笑うかのように見ていた。

 


 何かに似ているかと思ったが、よくファンタジーものに出てくる【ゴブリン】とよく似ていた。


 あまり体に筋肉がついおらず、腰に布のような物をまいている。

 だが唯一違うところは、何体かの【ゴブリン】が手のひらに黒く禍々しい何かを纏っているというところだ。



 怖い

 逃げたいが囲まれていて逃げようにも逃げれない。

 

 ここからどう逃げるか考える。

 だが、良い方法はおもいつかなかった。   

 


 おもむろに足元に落ちていた小石を空高く投げ飛ばした。

 すると何事かと一斉にゴブリン達が小石を投げた空を見上げた。



 しめた


 この隙にできたゴブリンの油断で僅かにできた隙間を全速力で駆け抜ける。



「ギャギャギャギャギャギャギャ」


 

 ゴブリン達が追いかけてきた。



 キモい



 足には自身がないがとにかく無我夢中で走る



  走る


       走る


            走る


                 走る



 体力の限界で再び後ろを振り返ると、キモいアイツの姿は見えなくなっていた。



 

 

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