第2話 見たことのないもの
「はぁ?」
第一声は腑抜けた声だった。
そこは、森のようだが自分の知っている所とは全くの別の場所だった。
草木が生い茂っている所は同じなのだが、大きすぎる。
先程聞こえた声も気になるのだが、目を開け一番最初に気になった大きすぎる木?の幹に手を当てる。
ここまで育つのにどれだけの月日が経ったのだろうか。
そう疑問に思い、どれ位の高さなのだろうかと顔を上げた。
するとそこには、木々が雲を貫いているというまるで別世界のような光景が広がっていた。
「えぇ?」
2声目も腑抜けた声だった。
次に気になったすぐ隣りにあった大きすぎる草は、自分の身長をちょうど覆い隠すくらいの大きさだった。
草からほのかに桃のようなそんな甘い香りがした。
珍しいなと思い草をちぎりポケットに入れ、すぐ後ろにあった獣道を進む。
道中には、黒いキノコやピンク色の苔などの見たことのない色の植物が生えていた。
困惑する
さっきまで公園にいたはずが、気づいたら森の中にいて自分の常識が通用しない所にいたのだ。
だがあまり深く考えず、自分が手に持っていたコーラに口をつける。
俺の良いところは考えすぎない事だと思う。
今、少し楽しいと思っている自分がいるからだ。
道なき道を進む。
「かっぴーかっぴー」
すると突然、空の方から聞き覚えのある変な声が聞こえた。
顔を上げてみると、カラスのような大きさの鳥飛んでいた。
体全体が鼠色のような色をしており、右目の周りに赤い水玉模様があるように見える。
飛んでいてあまり良く見えなかったが、とても心に残る顔をしていた。
あれはそう、言ってしまえば…
アホ面
だった
あれが「かっぴー」とか言うヤツの正体だと言うことがわかった。
もう自分の知っている世界とは違うのか…。
これ以上はキャパオーバーなので勘弁してほしい。
だが、一番気持ち悪い声のやつはまだ見ていない。
するとタイミングがいいのか分からないが
「ググギャギャ」
それが聞こえた。
声のした方に目を向けると、青紫色でとても人には見えないそれに囲まれていた。
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