ヤクザスライムと廃品皇女

第18話 剣術大会 第2試合 2戦目

1戦目を終え１時間後

『お待たせしました！

続いて2戦目の組み合わせは

スズラン選手VSガレート選手です！

お二人は闘技場へ移動をお願いします！』

「さて、次は私とガレートやな」

「御手柔らかにお願いします」

「残念ながら私は本気でやるで」

闘技場

『それでは2戦目

いざ尋常に…勝負！！』

試合開始のゴングが鳴ると同時に

ガレートが攻めてくる

「『重撃（じゅうげき）』！」

「『鉄手（てっしゅ）』！」

なんとスズランはガレートの剣を右手で掴む。

「流石は聖拳（せいけん）！自身の肉体を鋼鉄化させるのはお手の物ですか！」

「まだまだ甘い…な！」

左足で蹴りを入れる。

「グッ…」

(脚でガードしたがかなり重い)

「どうした！ガレート！そのままやと右手が縛られたままやぞ！」

「クッ！」

ガレートは握っていた剣を離す。

「さて、剣を捨てたことで接近戦は封じられたな」

スズランは剣を遠くへ投げ近接攻撃を封じた。

「さて、私は刀（これ）を使おうかな」

腰に下げた刀を抜刀し、ガレートに

ターゲットを合わせる。

「…」

(これはピンチでもありチャンスだ、

スズランさんは俺に『近接攻撃』の手段がもう無いと思っている)

「『居合剣術・納刀』」

刀を納刀し、力を溜め込む。

「『居合剣術・飛翔』！」

納刀を維持したまま飛び上がり、

ガレート目掛けて飛び込み攻撃する。

「それを待ってました！

『マジックブレード』！」

『マジックブレード』

杖を魔力で剣の形にコーティングする魔法。

ガレートは飛びかかってくるスズランに『マジックブレード』で対抗した…が。

「甘いなガレート」

「ッ！杖が！」

スズランにはガレートの行動がわかっていた、そのためあえてガレートではなくガレートが持っている『杖』に狙いを定めて攻撃した。

「さて、降参か？」

「…」

ガレートは頼りの綱の杖も失い

攻撃手段が無く降参するしかない…

そう思われていたが。

「『リターン』！」

「あ」

(しもうた！その手があったか！)

『リターン』

空間転移の一種で、物体に予（あらかじ）め唱えておき、発動させると手元に戻ってくる。

「『渾撃（こんげき）』！！」

「よりによってそれかいな！」

渾撃…『剛撃』などの力を込めて攻撃する技には会心（クリティカル）が存在する。

『渾撃』は『剛撃』の会心を必ず引き出す技である。

「危な！！」

「な！」

しかしスズランは刀と鞘で受け止めた。

「ありえない、なぜ受け止めれたのですか？」

「『身体硬化』と

『魔力コーティング』の合せ技や」

スズランは刀を魔力でコーティングして刀が破損するのを防ぎ、

『身体硬化』で身体の体幹を高め

『渾撃』を受け止めた。

「相変わらずテクニシャンですね」

「そんな悠長（ゆうちょう）なこと言ってると痛い目に会うで！！」

「クッ！」

蹴りを入れられてしまい距離を取らされる。

「『抜刀術（ばっとうじゅつ）奥義（おうぎ）・龍王（りゅうおう）』！」

『抜刀術奥義・龍王』…

『抜刀術』を極めた者しか扱えない秘伝技、納刀した刀を抜刀する居合技であるが。

この技は軌道が直線ではなく昇り龍のように複雑で、更に『3つの属性』を含んでいる、その属性は『火・聖・魔』である、そのため完全に防ぐことは

不可能。

「『パワーガード』！『流撃』！」

ガレートも盾と剣でガードするが。

不可能であった、盾と剣が粉砕され、まともに食らってしまった。

「ガハッ！」

「安心し、怪我させへんように手加減したから」

「…これは降参ですね」

『勝負あり！！

2戦目の勝者はスズラン選手！！』