第19話 剣術大会 決勝戦 ①

『それでは皆様!これより1時間後

決勝戦を始めさせていただきます!

決勝戦は全ての魔法、自身の武器を使用可能です!

シーリス選手VSスズラン選手』





皇国参加者控室


「まさか姐さんが決勝戦進出とは」


「意外なの?」


「意外も意外、超意外です」


「そうかの?」


「…ネモフィラ殿は先程まで何処に?」


「ん?スカーレットの闘いを1番近い所で見ておったのよ」


「居たの?ネモフィラさん」


「居ったぞ」


「全然気づかなかった」


「…よし」


準備を終えたスズランが現れた。


「おお、スズランよその刀は?」


「ん?ナイショ」


ネモフィラはスズランの『青黒い刀』が気になったようだがスズランは教えなかった。


「ふむ、その刀には何やら特別な能力が存在すると思っておるのだが?」


「正解っちゃ正解」


「気になりますね」


「教えてよ〜」


「駄目ー」


「ケチ!」







闘技場にて


「よろしくお願いします」


「こっちこそ」


『それでは剣術大会 決勝戦を開始します!』


『いざ、尋常に…勝負!!!』



「…スズランさんでしたね?」


「そうや」


「初めに言っておきます」


そう言ってシーリスは鎌をスズランに向け。


「容赦はしません」


「そうかー」


「『天地晦冥』」


不意打ち気味に強力な技を放ってきた。


「…」


しかしスズランは無言で受け止める。


「やりますね」


「『皇』」


突如としてスズランの右目が紅く染まった。


「ならばこちらも『ソロモン』」


シーリスも『ソロモン』を発動させる


「『聖剣』」


「『聖剣』」


なんとシーリスも『聖剣』を習得していた。


『聖剣』同士がぶつかり合う。


「『炎撃』」


突如スズランの拳が燃え上がった。


「…ッ」


シーリスは受け止めたが少々火傷を負ったようだ。


「乙女の肌になんてことを」


「本気で来るんとちゃうんか?」


「本気ですよ?」


「今んところ『よわよわ』やぞ」


「…」


シーリスは人差し指をクイッと上げた。


「ッ!?」


突然スズランの服の右肩が裂けた。


「『本当』ですよ」


「みたいやな」


「どうですか?見えました?」


「いや…全く」


「そうですか」


「…」

(今の一撃…微かに見えた…けど避けられへんな)


「『百花繚乱』!」


先程の闘いでランを追い詰めた技を使用してきた、が。


「速すぎやろ!!」


ランの5倍以上の速度で攻撃が飛んでくる。


「何でさばけるんですか!?」


しかしスズランも負けじと捌き続ける


「しまっ!」


腕に一撃食らってしまった。


「…」


「チッ!」


急いでスズランは傷口を隠す。


普通は血が出るが、スズランは

スライムだ、血など出ないよって

魔物とバレる


それを防ぐためにスライムは傷口を

千切れた服の一部で隠した。


「痛かったですか?」


「痛いわ!」


「そうですか」


しかしシーリスは攻撃の手を緩めようとはせず怒涛の斬撃が飛び交った。


「よし!」


「!?」


突然スズランは全ての斬撃を完璧に

弾き始めた。


「なるほど…流石は『皇』…成長が早い」


「なんか見切れたわ」


「ならばこれはどうですか?」


次の瞬間シーリスは鎌を投擲した。


「?」


スズランは難なく弾く。


「『到達』!」


「おま!?」


シーリスは深呼吸をし。


「行きますよ」


「待てや!?」


シーリスはスズランに殴りかかった。


スズランは回避するが。


「『轟沈ごうちん』!」


「しまっ!」


シーリスが殴った地面に直下型の穴が突如として空いた。


スズランはギリギリ穴の縁に捕まることが出来た。


「危なー」


「『』!」


シーリスが使ったのはシンプルな技で、正面に衝撃波を放つ。


「あ」


スズランは衝撃波で吹き飛ばされ、落下した。


しかし水に落ちる音が聞こえてきた。


「水?」


「スズランさん、死なないで下さいよ!」


「ちょっと待てぇぇ!何する気や!」


「『サンダーランス』!」


雷の槍を穴に向かって投げた。


「!」

(あかん!このままやと感電する!)


「『継承 魔道王』!

『スペルリジェクト』!」


魔法を反射する『スペルリジェクト』を使用し感電は免れた。


「ッ!」


シーリスも紙一重で跳ね返ってきた

『サンダーランス』を避ける。


「ふぅー、結構深かったわ」


「流石ですね」


「『抜刀術奥義・龍王』!」


「『時空間魔法 タイムルーラー』」


シーリスが使用した魔法は特殊な魔法で、自身に流れる時間を早くしたり、遅くしたりできる。


「『天地晦冥』!」


背後に回り込み『天地晦冥』を放つ


「『拳聖奥義・鉄拳制裁』!」


しかしスズランは奥義を連発し技を

中断させる。


「いだぁ!!?」


シーリスは思いっきり頭にゲンコツを食らった。


「さてと、このまま続けると会場が壊れるで」


「…たしかに…イタイ」


「嘘つけ」


「いや、割と本気で痛い…

絶対たんこぶ出来てる」


「まぁ、うん、ちょっと強く叩きすぎた」


「さてと、仕切り直しましょうか」


シーリスは鎌を引き寄せ。


「『天地晦冥』」


「『聖剣』」


今、殺し合いガチンコ勝負が始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る