第16話 剣術大会 第1試合 最終戦
「さて、あとは全員で観戦するだけやな」
「そうですね〜」
「最後はネモフィラ殿とシーリス殿か」
「ねぇスズラン、シーリスって人強そう?」
「…一言で言うなら、読めへん」
「強さが?」
「そ、大体の人は姿勢とか勘で分かるんやけど、シーリス殿は全くと言っていいほど一般人にしか見えへん」
「なんで一般人なのに読めないの?」
「この剣術大会に参加してることがおかしい」
「そうですね、現在参加してる人間は全員国のトップクラスです」
「…ってことはあの人も」
「えぇ、強者だと、しかも気配を感じさせない事が出来る」
「正直楽しみ」
『さぁ!それでは最終戦!
ネモフィラ選手VSシーリス選手』
闘技場
「…手短に聞く、お主何者じゃ?」
「ただの剣士よ」
「…そういうことにしておこう」
『それでは、いざ尋常に勝負!』
「『強斬撃』!」
「…」
ネモフィラの『剛撃』を強化した自作技、『強斬撃』を無言で弾く。
「…いや、本当に何者じゃ?」
「剣士よ」
「流石にそれは通らんじゃろ」
「…放浪剣士?」
「それもどうかと思うがの…」
「うーん…ミステリアス・ソードファイター?」
「たしかに、ミステリアスではあるな」
「ならそれで」
「…それで良いのか」
「質問は終わり?」
「…あぁ、すまんな、それでは再開しようか」
2人は戦闘を再開し、どちらも引けを取らない闘いをしていた。
皇国参加者控室
「「「「「…」」」」」
「強…」
「あぁ、あのネモフィラ殿と渡り合っている」
「…変態や」
「姐さんそれの言い方はどうかと」
「凄い…」
闘技場
「やるな!」
(まずいな、このまま行けば儂の負けが確定する、この老いた体が足を引っ張る。)
「…息切れ?」
「老いた体には堪えるわい」
「そう、少しは労ったほうが良かった?」
「気にせんでも良いぞ、さて、儂も
デンドロビウムと同じようにやらせてもらおうかの」
「なるほど、なら私も」
2人は距離を置き、力を集中する。
「さて、儂は準備出来ておる、お主は?」
「OKよ」
「行くぞ!『奥義・
『奥義・天舞』…
剣技を極めたネモフィラのみ扱える技
納刀し、光速で抜刀する…しかしこれだけでは終わらない、その先に待っているのは斬撃の嵐である。
居合を見切ったとしても、飛び交う斬撃に斬り刻まれる。
「『
『天地晦冥』…
こちらも居合の姿勢だが、
『奥義・天舞』と違う点が1つそれは
『見えない』こと、『奥義・天舞』は『光速』であるが、『天地晦冥』は『速すぎて光すら見えない』ということである。
よって対象は『光』を見るより先に『首の無い自分』を見る。
『奥義・天舞』と『天地晦冥』が同時に発動する、すると。
パァン!!と破裂音が鳴る。
「…儂の負けじゃな」
「いえーい」
そして、ネモフィラの近くに『折れた剣が刺さる』。
「最初から狙っておったな?」
「バレた?」
「折れてから気づいたわ」
そうシーリスは『奥義・天舞』の速度を見切り、『天地晦冥』を当てた。
これは例えるならば現代である、車同士の衝突事故。
つまり→💥←である。
現代で例えれば車Aと車Bで
(例40km/h)→ 💥 ←(例40km/h)
であるが。
『奥義・天舞』と『天地晦冥』であれば。
(29万9792km) →💥←(29万9792km超)
である。そりゃあ剣も折れる。
ならば生じるはずだ、
(たとえ人間離れしていても無事では済まないし、周囲に被害が及ぶため)
『しょ、勝負あり!!
勝者!シーリス!』
皇国参加者控室
「いや、私あの人と当たりたくないんだけど」
「それは俺も同じ」
「同じく」
「凄まじい闘いでしたね」
「化け物じゃん」
そんな会話をしていると。
「いやぁ〜負けた負けた」
「ネモフィラ殿?」
「おう、ラン見ておったぞ、勇者を倒すはな」
「ありがとうございます」
「さて、儂は帰ろうと思っていたが、気になるのでな、
観戦者が1人増えた。
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