第15話 剣術大会 第1試合 3戦目
皇国参加者控室
「流石やな、ラン」
「いやぁ〜かなり強敵でしたよ」
「まさか勇者に勝つとはな」
『さて、続きまして3戦目は
スズラン!VSデンドロビウム!』
闘技場
「ふむ、
「弱く見えるか?」
「いや、むしろ油断ならぬ」
「それは同じことやな」
『それでは、いざ尋常に!勝負!』
試合開始のゴングが鳴る。
「…さてどないしようかな」
「…」
(隙がない…歴戦ということか)
「来ないんか?」
「…隙がないゆえ」
「そうか〜」
「…」
デンドロビウムは隙きを伺うが、スズランに隙きが全く見受けられない。
「…埒が明かんな、なら!」
スズランは大地を踏み鳴らした。
「!?」
瞬間デンドロビウムが揺らいだ。
「『剛拳』!」
「くっ!重い!」
スズランの拳を受け止めるが、デンドロビウムはあまりの衝撃に驚いた。
「『聖剣』!」
「『流撃』!」
『聖剣』を繰り出すスズランにデンドロビウムは、力を受け流す『流撃』を使用した。
「『聖剣』!」
「何じゃと!?」
スズランは剣と手刀の『聖剣』の
二連撃を繰り出した。
「『流撃』!」
剣の方を『流撃』で流し、手刀の方を蹴り上げた。
「お〜、凄いなまさかすぐに対処されるとは思ってへんかったわ」
「凄いのはお主よ、まさか『聖剣』を二連で出してくるとは、よほど練度が高いと見受けられるな」
「そりゃどうも!」
「凄まじい斬撃じゃな!」
「…殺す気でやれへんのか?」
「殺してしまったら反則負けじゃからな」
「舐めてんとちゃうぞ!ジジイ!!」
いつまでも本気で来ないデンドロビウムにスズランの堪忍袋の緒が切れたようだ。
「…ジジイじゃと?」
同じく怒ったデンドロビウムはスズランの首を飛ばすかのような斬撃を繰り出す。
「やれるやんけ!」
「手加減はせんぞ」
「ならこっちも」
スズランの剣が光る。
「『聖剣』」
「『剛撃』」
『聖剣』と『剛撃』が飛び交う。
「そろそろ決着と行こうか…女子よ」
「そうやな」
2人は剣を構え、力を集中させる。
「『奥義・
デンドロビウムが先に仕掛けた。
『奥義・迅閃』…
速度、衝撃力、破壊力ともに上位クラスの威力を誇る技。
使用する際には集中する必要があるが決まれば大抵の相手は殺害できる。
「…『奥義・エクスカリバー』!」
続いてスズランも仕掛ける。
『奥義・エクスカリバー』
能力『聖剣』の奥義。
破壊力に大きく振られているため威力は絶大。
デメリットとしては、準備する時間が長く、当たりづらい。まさに一撃必殺
『奥義・迅閃』と『奥義・エクスカリバー』がぶつかり合う。
そして…
「何!?」
「ふん!」
スズランが技を強制解除し、デンドロビウムを殴り飛ばした。
「…」
勝敗は決した。
『デンドロビウム選手!気絶!よって
勝者!スズラン選手!!』
皇国参加者控室
「何ですかあの技!」
「え?奥義やけど」
「奥義って何?」
アリューンはガレートに質問する。
「奥義とはですね…能力を極めた者のみが扱える技です」
「へぇ〜、ランさんとかガレートさんも持ってるの?」
「残念ながら私達は持ってません」
「そうなんですよ」
皇国参加者全員第1試合突破
帝国参加者控室
「いや〜負けてしもうた」
「無理もないですよ、デンドロビウム殿」
「まさか奥義を使えるとは思ってなかったのぉ〜、もしかしたらあのスズラン殿は『人間ではない』のかもしれんな」
「…ま、なにはともあれ帰りましょうか、『皇帝陛下』も用は済ませたようですし」
「そうか…サイネリアよ」
「何か?」
「少し寄り道してよいか?」
「いいですけど」
「少し、会いたい奴がおるのでな」
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