第13話 剣術大会 第1試合 1戦目

ガレートとサイネリアは闘技場の中心で開始の合図を待っていた。

「…あなたが皇国のギルドマスターですか」

「あぁ、そうだ」

『それでは、いざ尋常に…勝負!』

試合開始のゴングが鳴り響く。

『さぁ、今開始のゴングが鳴った!』

早速ガレートはサイネリアに一撃加えてみる。

「…あなどれませんね」

「そうかい?これでも5分の1何だが、な!」

立て続けに斬撃を放つ。


さて、もう一度剣術大会のルールを説明しよう。


ルールとして、まず相手の殺害や支給される剣・刀以外の武器使用を禁止、魔法も禁止である。


そして勝敗は相手が再起不能、もしくは降参、そして『相手の武器の破壊』

この3つである。


「やるな!」

「やられっぱなしでは勝てません、今度はこちらから仕掛けさせて頂きます」

「ほう、いいのか相手に攻撃するって宣言して」

「私は騎士なのです、美しく勝ち、民を守る、それが騎士です」

「それをうちの騎士団長に言ってほしいもんだな!」

話の合間に攻撃を交える。

「…冒険者とは野蛮な者たちです、人の話もろくに聞けないとは」

「おいおい、野蛮ってなぁ…お前さんは戦争中に敵と話終わってから戦闘するってのか?」

「言ったはず、私は騎士です」

「そうかい!」

美しく倒すサイネリアと的確に隙きを狙い確実に仕留めるガレート、どちらが正しい戦い方かはわからない、だが1つ言えるとするならば。

「ここ!」

サイネリアは回避ざまに斬撃を交え続ける、それは舞のように美しい…

しかし。

「それが隙だ!」

ガレートは斬撃を力いっぱい弾いた。

「!!?」

体を回転させながら回避し、斬撃を加えていたサイネリアは大きく吹き飛ばされた。

「そりゃあ吹き飛ぶわな」

先程の光景は、例えるならば、回転するコマ同士がぶつかり弾かれ吹き飛んだ。といったかんじだった。

「さて、お前さんが華麗に倒すってんなら、俺は力任せで倒そう」

ガレートの構えが変わった、先程までは剣を前に構えていたが、今は…剣を大剣のように担いでいた。

「…本気というわけですか」

「おう」

「…死んでも知りませんよ」

「そうなりゃ、お前さんは反則負けだ」

「面白い!」

サイネリアはガレートの懐に素早く入り込み。

「『乱舞・鶴の舞』!」

まるで鶴が羽ばたいてるかのうな連撃を繰り出す。

「危ねぇ!」

全て紙一重で避けるガレート。

「やりますね」

「似たようなのを使ってくる奴と嫌なほど戦ってきたから…な!」

ガレートは大地を叩くかのように踏み込んだ。

その瞬間、少しガレートの周辺が揺れた。

「くっ…」

「そこぉ!『剛撃』!」

能力スキルを発動させ、サイネリアを壁に吹き飛ばした。

「カハッ!」

体勢が崩れたサイネリアにガレートは腕一本で投げた。

「ガッ」

投げられたショックでサイネリアは気絶した。

『勝負あり!勝者!ギルドマスター『ガレート』選手!』

サイネリアは気絶し、再起不能と判定された。







皇国参加者控室

「やるなぁ!ガレート」

「なかなか侮れない相手でした」

「にしては結構余裕そうだったけど?」

「そうかい?」

「でも凄かったよ!ガレートさん」

「ありがとうございますアリスさん」

「流石ギルドマスター」

控室に帰ってきたガレートは称賛を浴びていた。





帝国参加者控室

「派手にやられたな、サイネリア」

「…申し訳ない、デンドロビウム殿」

「よいよい、それで学びを得たか?」

「はい、華麗に倒すだけでは不十分だと気づきました」

「ふむ、よく頑張ったな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る