緊急任務 村人殺しを討伐せよ 後編
「え?余裕」
「「へ?」」
『ーーーー!』
ナイトメア・エクスターミネーションはスズランの後ろへ周り大斧を…
「スズラン!後ろ!」
『ーーー!?』
落とした。
「ほら、余裕」
スズランの手に何かが握られていた…
「…え?」
『ーーーー!?』
ナイトメア・エクスターミネーションは絶叫する、それも当然であろう…右腕が切断されたのだから。
「何を…」
「ちょっとした能力や」
『!』
しかしナイトメア・エクスターミネーションは自身の右腕を再生させた。
「スズランさんの独り占めはさせない!」
ランも負けじと『星剣』を当てる。
『!』
「やるな!ラン!」
『ウットウシイゾ!』
「ほう?」
「喋るの!?」
「流石高ランク死霊、知能はあるみたいね」
『貴様ら如き…あの村人と同じ様に殺してやる!』
「お〜、言語がしっかりしてきたな」
『まずは、お前からだ!スライム!』
大斧のスズラン目掛けて振り下ろす。
「危な〜」
「隙あり!」
砂煙の中ランは剣を振るう…しかし。
「「居ない!?」」
『隙があるのは貴様らのようだな』
「……!!」
なんとナイトメア・エクスターミネーションは端からスズランたちではなくアリューンを狙っいた。
「アリューン!」
「離せ!」
斬撃を繰り出すもことごとく回避される。
『さて、この娘はどう殺してやろうか…両断するか…それとも四肢を切断するか…悩みどころだな…』
「クソ野郎…」
「…そろそろか」
『何?』
スズランは右手を前に出し、指を鳴らす。
「『空間魔法 テレポーテーション』」
「わっ!」
するとスズランたちの前にアリューンが転移してきた。
『何だと!?』
「時間は稼げたやろ!ラン!」
「もうバッチグーよ!」
ナイトメア・エクスターミネーションの後ろには剣を構えたランの姿が。
『そんな攻撃!』
「私がそんな効かない奴に2度も同じ技を使う女に見える?」
『何?』
「成仏しなさい!『恒星剣』!」
光り輝く特大剣をナイトメア・エクスターミネーションに振り下ろす。
『恒星剣』…ランが編み出した『星剣』の派生。
長時間の溜めは必要だが、威力は『星剣』の比ではない、さらに『死霊』の弱点属性である聖属性を兼ね揃えている。
『ぬぉぉぉぉ!?何!?聖属性だと!?』
「そうそう、最後に、教えといたる、お前さんの腕をぶった切ったあれ、私の能力『聖剣』や」
『聖剣』…名前からして伝説の勇者のみ使えると思いがちな能力だが、これは聖属性の剣技である、しかしスズランの場合、『手刀』でも効果が現れる。
スズランはあのとき素早く『手刀』を繰り出し、右腕部を切断した。
『何だと貴様!ぬぉぉぉぉ!!
消えてゆく!この我が!!!!』
ランの放った『恒星剣』は大地をえぐりナイトメア・エクスターミネーションを葬り去った。
「凄い…」
「流石スズランさん、無詠唱で空間魔法を使うとは」
「事前に仕込んどいたんや」
「なるほど〜」
「…私お荷物かな」
「そんなことないですよ?」
「だって私のせいでスズランが魔法を使う羽目に…」
「ん?何言うとんのや?言ったよな?『働いてもらうで』って」
「…スズランさんエグいこと考えますね」
「…まさかスズラン…最初から私を囮に…」
「正解!アリューンが付いてくるって言うから最大限に活かした結果や!」
「最低」
「流石にド外道と言わざるを得ない」
「…そんな?」
そんな話をしながら後処理をした。
ギルドにて
「ガレート!終わったわよ」
「おぉお疲れ様」
「ほんま酷い目にあったで」
「それ私のセリフなんだけど?危うく失禁するところだったし」
「コラ!アリューン、皇女様がそんなこと言うんじゃありません」
「…何があった」
「まぁ、森でナイトメア・バーサーカーに出会って、そいつ実は特殊個体だったみたいで、ナイトメア・エクスターミネーションに進化しやがったの」
「それで?討伐したのか?」
「えぇ、跡形もなく」
「…よしありがとう、追加報酬を支給しよう」
「これが、依頼達成の報酬、そしてこっちがナイトメア・エクスターミネーションの特別報酬」
報酬の額は銀貨12枚、特別報酬は金貨2枚だった。
「それじゃあスズランに特別報酬を、私は依頼達成報酬を貰うわ」
「おいて待てい、それは頂けへん」
「アリューン様のおかけで達成出来たんですから妥当です、つまりアリューン様の報酬です」
「…なるほど、わかった」
渋々スズランは金貨2枚を受け取った。
「さて、私は帰るとします」
「私達も帰るか…」
「うん、もうクタクタ」
無事依頼を達成した三人だった。
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