緊急任務 :村人殺しを討伐せよ 前編
「…」
「なぁ機嫌直してやぁ」
アリューンは超不機嫌だった。
「…」プイッ
「アリュ〜ン」
理由は単純、こっちが演奏しているのに無視して話題沸騰して無視したから拗ねている。
「そりゃそうですよ姐さん」
「人の事言えませんよサザンカさん」
「うぐっ」
「あら、私はちゃんと見てたわよ」
「俺も同じく」
そう2人は話しながらもアリューン達の方をずっと見ていた。
「…」ギュッ
「ふぁぁぁぁぁぁ」
アリューンはムスッとしながらランをホールドした。
「あ〜あ、取られましたね姐さん」
「取るも何もアリューンは私のものちゃうし」
「よしよし、アリューン様」
「…」
「さて、スズランさん」
「ん?なんや」
「実は頼み事がありまして」
「頼み事?」
「はい、これを」
ランが差し出したのは一切れの紙だった。
内容は
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近隣の村にて村人が惨死しているのが多数目撃されている。
原因を解明してほしい。
報酬:銀貨12枚(場合により増減)
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とある。
「依頼書か?」
「はい、因みにギルドで10ヶ月たっても達成しなかった依頼です」
ギルドでは長期間達成されなかった任務は騎士団が派遣され解決する。
「それでこの依頼と私になんの関係があんねん?」
「この依頼に挑戦した冒険者グループがことごとく行方不明になってます」
「それで?」
「私が派遣されるんですが」
「ほうほう」
「少し酔っちゃったので」
「ん?」
「スズランさん達にお願いしようかな〜って(・∀・)」
「おいこら」
「え〜だって〜、飲酒戦闘は危険だし〜」
「叩きのめすぞ」
「スズランさんならやれるよね?」
「嫌なんやけど」
「あら姐さん行ってみては?」
「いや、バーテンダーの仕事があるから…」
「居なくても大丈夫ですよ」
「働かざる者食うべからず…」
「同じですよ」
「…」
「やってくれますよね?」
「「ね?」」
「…謹んでお受けいたします」
「それじゃあ明日よろしくお願いします」
「明日ぁ!?」
スズランは気づか無かった。明日なら飲酒は関係ないはずだと…
夜
「ねぇスズラン、寝ないの?」
「用意は入念にしとかんとな」
スズランは明日に供え持ち物の整理や武具の整備をしていた。
「…ねぇ、その武器は?」
「ん?これか、これはな確か…
『魔力装填式ライフル』やったかな?」
「まりょくそうてんしきらいふる?」
「これは昔の友人がくれた武器やねん」
「へぇー」
「ちなみに弾は魔力やからリロードは不要、さらに威力も任意で調整可能」
「うん、何が何だか全くわかんない」
「さて、確認終わったし寝るか」
「…ねぇスズラン」
「ん?」
「明日私も行って良い?」
「…はぁ!?」
「ダメ?」
「…死ぬで」
「頑張る」
「…本当に死ぬで?」
「スズランが守ってくれるでしょ?」
「そんな無茶な」
「それに万が一危険だったらスズランの身体に入ればいいし」
「…たしかに」
「良い?」
「…しゃあない、わかった」
「やった〜!」
「その代わり働いてもらうで」
「うん!」
翌日
「よし、行ってきます!」
「行ってらっしゃいませアリューン様、姐さん」
「おう」
2人は森へ向かった。
「準備オッケイ?」
道中馬に乗ったランが現れた。
「…なんでランがおんねん?」
「アリューン様がいたから」
「ランさん!」
「それにアリューン様を徒歩ではいろいろまずいですから」
「そうやな、アリューン、ランの後ろに乗れ」
「うん」
アリューンはランの手を借りながらランの後に乗馬した。
「ちゃんと捕まってください」
「うん」ギュッ
「…よし行きますよ」
「おい待てや私は置き去りか?」
「あ〜、荷物置きに乗ります?」
ランの乗ってきた馬には荷物を置く所がある。
「わかった」
スズランはスライム状態になり荷物置きに乗った。
「よし、行きますよ〜」
ちなみにランの馬は国1番の馬である。そのため…
「「早っぁぁぁぁ!?」」
「う〜ん!流石!」
高速で駆けてゆく、もちろん森の中なので木を避ける必要があるが、そこは騎士団長、華麗に木々を避けて駆けてゆく。
「さて、ここですね」
「「…」」(放心)
「…少し休憩しますか」
「さて、気を取り直してここですね」
「うわぁ」
「酷い…」
そこには村人達の遺体が積まれていた。
「…なるほど」
「これは切り傷やな」
「えぇ、かなり深い」
「アリューンは大丈夫か?」
初めて遺体を見るはずのアリューンに気をかけたスズランだったが。
「え?何?」
何事もなかったかのように遺体を観察している。
「…おかしいな初めて人間の遺体見るはずなんやけど」
「…謎の耐性持ってますね」
「あっ、ねぇこの人何か持ってるよ」
「どれどれ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
黒い鎧を着た奴に襲われた。
奴は手始めに何人か斧で殺した。
そこからは無我夢中に逃げたから覚えてない…
だがこの紙を見ているであろう君、決して挑むことは奨めない。
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「ふむふむ」
「『ナイトメア・バーサーカー』やな」
「ナイトメア・バーサーカー?」
「ナイトメア・バーサーカーは新月の日に現れ目に入った人間を片っ端から惨殺していくサイコ野郎です」
「…この村人達は」
「えぇ恐らく一晩のうちにナイトメア・バーサーカーに殺されたようです」
「だけど新月の日だけだよね?」
「はい」
「今日は新月の日なの?」
「たしか今日は…満月でしたね」
「それじゃあ…」
中編に続く
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