テスト終了 幽霊部員の消失
七月十四日を以って一学期の期末テストが終了した。
初めてだった。テストを終えて手応えがあったのは!
全ては葉月のおかげだ。図書館で勉強してたときは何も教えてくれなかったけどマックで一時間ほど教えてもらい、更には日曜日もマンツーマンで勉強を見てもらったのだ。
これは学年上位行けるんじゃね? 十位以内きたろこれ。
俺はこの上ない達成感に浸っていた。自信しかないのだ。
今の俺ならかめはめ波も撃てるね! 天下一武道会優勝待ったなし!
そんな感じに過ごしてました。今まで。
答案が帰ってきた時は余裕だった。絶対の自信しかなかった。果たして結果はどうだったのか。本日、七月二十日の午後のホームルームにて、結果が発表された。
西園寺御行 十三位
うん、悪くないよ? 今まで五十位辺りをさまよってたわけだし。
だけど十位以内には確実に入ると思ってた俺には相当ショックだったんだよ。甘く見てた。
まあ、テスト二日前に勉強を始めたと思えば上々な結果だ。そうだよ、結構上手くいった。
……悔しい。
まさか俺が勉強に本気になるなんて。
二学期はもっと上を目指すかな。
ちなみに白井は六十位で葉月は一位だった。お互い前回と変わってなかった。悪い意味と良い意味で。
みんながテストの結果について話しているとき、後藤が手を叩いて黙らせる。
「あ~友達とテストについて話すのはまた後でな。今はホームルーム中だ。まあ俺から話すことは何もないからもう解散するが……。あ、そうだ。白井と盛岡だけ、か? 部活サボってる奴、後で俺のとこに来い。以上だ。じゃあお前ら、部活に行っていいぞ」
やはり俺の予感は的中したか。
白井が恨めしそうに俺のことを見ているが無視しよう。
さて、部活行くか。
部活を始めてから十分くらいしてから後藤が盛岡を連れて来た。
「よ、ちゃんとやってるな。今日から部活サボってる奴は退部して居残りの勉強するか部活ちゃんとするか、てことになった。ちなみにこれ、守れなかったら反省文な。んで、こいつは部活すること選んだからまあみんなで励めよ」
後藤がポンッと盛岡の肩を叩く。
盛岡は舌打ちをした! ……え、こわ。不良かよ…。
ん? 待てよ。部活サボれなくなったってことは。
「あの、二年生にも部員がいるみたいなんすけど、その人たちは?」
「さあな。まあ今日来てないってことは退部するのかもな」
そっか……、と宮野先輩が落胆した声を出す。
俺は二年生に会ったことすらないからなんとも思わないけど先輩二人は一緒に活動してたもんな。それがどれくらいの期間なのかは知らないがやっぱりショックを受けるのかも。
それにしても反省文かぁ。この学校、結構厳しいんだな。帰宅部とか作らないのかしら?
「そういうことだから、分かったか? 盛岡、西園寺」
「え? あ、はい」
なんで俺?
うーんここで俺の名前出されるの納得いかんなあ。ほんと、なんで俺を名指しするんですかね?
盛岡は実際にサボってたからわかるけど。
……あ、なんか盛岡に睨まれた! 怖いよ!
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