いのち

僕は、人間としての「僕」を全うした。


尾が二つになっている事を考えると僕は1度猫としての人生を生き、そして、2度目は人間として生きた。彼女に、この想いを伝えるべく僕は変化したのだ。


そうして僕は役目を果たした。

ベッドにはすでに「僕」としての姿はなく、そこには二つの尾を持った、年老いた「猫」が弱々しく寝ていた。


こうして僕はゆっくりと彼女に抱き上げられて静かに息を引き取ったのだ。

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