第六話 ついて無い日は、とことんついて無いのです!
翌朝、朝食を終えて、私は学園に忘れ物をした事を両親や妹に告げ1人早々に屋敷を出た。
執事の「アイト」が馬車の手配をしてくれ様としていたけど、それも丁重にお断りして、徒歩で行く事にしたの。
だってね?たまには、自分の足を使わなきゃ、その内、退化しちゃうわ?折角両親から、頂いた立派な足が2本付いているのだもの?使わなきゃ勿体ないわよ?
馬車の中では、良く見れ無かった景色が、今パノラマで見える。
ほあー…改めて見るとマジ感動ものだよう。
日本には、勿論、日本にしか無い素晴らしい風景が沢山有るけれど…ここは又別世界だわぁ。
何て…綺麗な景色を1人堪能していたら…背後から馬車が近寄って来るのに気付いた。
ブルルルッと馬車の馬の鼻息と共に私の前に止まり、小窓から見慣れたイケメンが顔を出す。
「おや?其処にいる見目麗しい女性は、ステルラじゃ無いか?こんな所1人で何してるんだい?セラススは一緒じゃ無いのか?」
出たっ!ルイ・ディライトッ何だろ?彼の事嫌いじゃ無いのに…一歩引いてしまう。
夕べ、セラススから、あんな事聞いたばかりだからかな?
当然、彼はそんな事もつゆ知らず私に話し掛けてくる。
「どうしたんだい?ステルラ、良かったら俺の馬車に乗りなよ?」
と、彼が馬車から降りよとした時に、弾みで、彼を避けてしまった。
「来ないでっ!…じゃ無いっ!私なら大丈夫ですわ?お気遣い無くありがとうございます」
「来ないでって…どうしたんだい?ステルラ?俺が君に何かしたかな?」
ルイは馬車から降りて、私の手首を掴もうとし私は咄嗟に、彼の腕を振り払いそのはずみで、バランスを崩し後ろに倒れそうになった所を間一髪ルイが、助けてくれた。
「っぶねぇーなぁ…ったく!このバカッ!何やってんだよっお前はっ!大丈夫だったか?」
グイッと力強く引き寄せてくれた、反動で、今私はルイに抱きしめられてる形になっている。
「あのっあのっ//////きゃあっ//////ごごごごめんなさいっ//////」
私は、思わずルイを突き飛ばしてしまった倒れる所を助けてくれた恩人なのにっ!
ルイも、まさか突き飛ばされるとは思って無かったもんだからキョトンとしている。
私は、自分でも何をしたのか分からないっ!だってだってっ…!!!
多分今の私は瞬間湯沸かし器みたいに顔が真っ赤っになってるはず!!!
「ルルルイ・ディライト?助けて頂いた上に突き飛ばしてしまってのご無礼を許して下さい!ではっ私は急ぎますので、失礼させて頂きます」
私は、早くこの場から逃げ出したくて、カーテシーも無しで走り出した。
ああああっ何やってんだ!私は!流石に突き飛ばしは駄目だって!ルイも呆れてたじゃ無い!やっちまったよ…これ。
なりふり構わず無我夢中で、学園まで、保々猛ダッシュ街の人達は「何ごとだ?何処かの令嬢らしき人が猪の如く走って行ったぞ?」何て声が彼方此方あちらこちらから聞こえて来そう…。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…つ…着いた」
まだ、生徒達もまばらで、誰も私の事を気付いて無い感じ、今の内に身なりを整え直さなければ…あ…あれ?膝が、ガクガク震えて…上手く立て無い…まるで、産まれたての小鹿みたいに震えてる!
「猛ダッシュした反動が来たのね!」
私は取り敢えず、膝を落ち着かせる為にベンチ迄行こうとした瞬間カクンッと一気に力が抜け地面にへたり込んでしまった。
「嘘ぉおぉおっ!あれぇ?立て無いよぉおっ」
「……ステルラ?ステルラか?何座り込んでるんだ?気分でも悪いのか?」
そっ…その声は…アリビオ・アマネセル!
よりによって!今っ会いたく無い内の1人アリビオッでもっでもっ今はそんな事言ってられ無いしっ!
「アアリビオおはようございます。良いお天気ですわね?」
「……いや…うん…そうなんだけど…大丈夫か?立てるか?」
アリビオが、そっと手を差し伸べてくれた、とても大きな手だなぁなどと思った瞬間に私の身体はフワッと浮いた!
「はっ???」
気付いた時にはアリビオにはお姫様抱っこされていたっっっ!!!
「っなっ///アアアリビオッ?何してるの?下ろしてっ!!」
「いいやっ駄目だっ座り込む位、立て無いのは何処か身体が悪いに違い無いっ!今すぐ保健室に行くぞ?」
「保健…っ!!大丈夫だって!!違うのっ!具合が悪くて座り込んでたんじゃ無いのっ!!」
「??じゃ何故あんな所に…??」
「うっ…そそれはぁ…別に良いでしょっ?良いからっ下ろしてよっ!!こんな所を誰かに見られでもしたーーー」
「……ステルラお姉さま?」
「……セ…セラスス?」
正に全身の血の気が引いた時だった…よりによって…セラススとルイが目の前に立っていた…アリビオにお姫様抱っこされたままの状態で…このまま消えたい。
だってね?…セラススの目がめちゃくちゃ怒ってるんだもん。
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