第四話 ルイとアリビオ。

 教室に、着く迄の間に、女子生徒やら男子生徒に囲まれて、何とか教室に入る事が出来た。もぅお家に帰りたい。


 因みに、私達姉妹とルイにアリビオは同級生の17歳。


 私と、アリビオは同じクラスの2年B組でセラススとルイが同じクラスの2年A組。


 クラスは違えど、私達は仲良し4人組なのだ。


 それと、他の学園と違ってこの「リガス学園」はクラスを「一般」とか「○○爵」には分けない、皆一緒、お互いに励まし合い助け合いながら共に成長して行こうってのが「学園方針」なのだ!


 たがら、当然に一般のお友達も居る。


「ステルラ様にアリビオ様おはようございます。」


 教室の花瓶にお花をいけてた友人「マーチ」がカーテシーをし声を掛けて来た。


「もぅ…マーチったら私達友達なんだから「様」は要らないって言ったでしょ?」


「俺も「様」は要らないぞ?」


「で、でも、やはり、お2人にはちゃんと「様」を付けなさいって私の両親が煩くてごめんなさいっ!」


 うっ…そんな、モジモジしながら小鹿ちゃんみたいにキラッキラした瞳で見つめて来たら…私、私!


 抱きしめずにはいられ無いじゃ無いかぁあぁあっ!!!


「マーチ・スペランツア!「様」何て要らないのよぅ。愛うい奴めっ!」


      ガバァッ!!


「きゃあっ///スススステルラ様?///」


「こらこら、ステルラ。いきなりの抱擁にマーチ嬢が困っているだろ?」


「ハッごめんなさい。余りにも、マーチが可愛かったから…つい。」


 いけないっ!これじゃ只の変態じゃ無い!


 ここに、セラススが居たら雷が落ちる所じゃ無いわ…。


 アリビオは、まったくっと溜息付いては自分の席に戻り、鞄から本と眼鏡を取り出し読書に集中し出した。


「…ねっねぇステルラ?実際の所、アリビオ様とは、どうなの?」


 マーチは、ニャニャしながら私に耳打ちをしてくる…。


「どうって…?何が?」


「もーうっ鈍いわねぇ?良い事?アリビオ様ほど、容姿端麗で、勉学やスポーツも出来、性格もピカイチなお方何て早々いらっしゃら無いわ?アタックし無いの?かと言う事」


「なっ!!マーチ・スペランツア?何て事言うの?///別に…私は、アリビオの事をそんな風に見た事なくてよ?」


「えー…私ならステルラ位アリビオ様と仲良しだったら、絶対に告白するんだけどなぁ」


「もう…マーチったらっ確かに、アリビオは、容姿端麗で性格も申し分無いわ?でもルイもアリビオに負けて無いと思うの?」


「ルイ様もっ確かにアリビオ様と並ぶ位の容姿端麗で性格もピカイチよね!!だから、学園の1位2位を争う位のお2人なのよねぇ…ほうっ///」


 そう言うとマーチは、ウットリとしながら、アリビオを見つめてる。


 確かに…アリビオは…私が…そのまだ生前に…その…付き合ってた元カレのイメージをそのまんまにした人物だからね?


 それに元カレも、社内では特に女子社員の中でも可成りの人気が有った…。少し、脚色してるけどね?


 ルイに関しては…私がドハマってたゲームの人気キャラのイメージしたもの…めちゃ推しキャラだったのだっ!


 マーチと私が、雑談していると、アリビオと目が合った…その時にアリビオが、「ニコ」と微笑んだ顔に不覚にもトキメイてしまった。


 もーっ///マーチが変な事言うから!トキメイてしまったじゃ無いよ!!


「きゃあっ///今っアリビオ様が此方を見て微笑まれたわっ///」


「そ…そう?私は気付かなかったわ?」


「もうっステルラったら!まぁ良いわ?そう言えば、セラスス様はどうなのかしら?ルイ様やアリビオ様の事気に掛けてらっしゃるのかしら?ステルラ何も聞いて無いの?」


 えっ…一瞬ドキッとした。そう言えば、この物語は、セラススとアリビオが付き合い結婚するお話し…。


 そして…姉の私がアリビオに物の見事に、振られるんだった。


 はあーー…現実でも、小説の中でも私ってば、好きな人と結ばれ無い者なのねぇ。


 そして、授業も、「魔法」の科目さえ無ければ、私は滞り無く完璧に終わっていたはず。


 まさかのっ居残りなんてぇえ!こんな事お父さまやお母さまに知れ渡ったら、ただじゃすまないわよっ!特にお母さま!


 マーチもそそくさと「この後、家庭教師が来るから…ごめんねぇ…居残りファイトッ」と小さくガッツポーズをして教室を後にした。


「確かにさぁ〜あ?居残りになってる私が悪いんだけどさぁ〜あ?」


「ステルラ…そぅ落ち込まなくも良い。俺も一緒に残るから、だから一緒に帰ろ?」


「えっ…あの///アリビオ迄、帰りが遅くなるわ?私の事なら良いのよ?お気になさらないで?ありがとうございます」


「しかしーーー」何かを言おうとしたアリビオの言葉を遮るかの様に教室の扉が開いてセラススとルイが入って来た。


「ステルラお姉さまったら!マーチ嬢から聞いたわよ?居残りなんですって?もう!だからあれ程…」とセラススのお小言が始まる。


 その時助け舟を出したのが、ルイの方だった。


「まぁまぁ、セラスス良いんじゃ無いか?

 誰にだって、苦手な事も有る。セラススは無いのかな?」


「…有りますわ…でもっ」


「でもっは無しだよ?俺達は帰ろ?じゃ無いといつまでも、ステルラは居残り勉強出来ないだろう?アリビオが居てくれるんだし?其れで良いじゃ無いか?」


「……そう…ですけど…」


 何やら妹のセラススは納得いっては無い感じだったけど、ルイに促され教室を後にした。


「はははっセラスス嬢は相変わらずの姉思いなんだな?」


 いえっ多分違うと思いますっ!私と貴方が2人になるのが嫌なんだと思われます!…何てとてもじゃ無いけど、言え無いわよ?


 この後の、セラススの質問攻めに合うかと思うと、胃が痛い。

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