第62話 彼女の視点~現在~
七年ぶりの「再会」はこういう形だなんて、予想はしなかった。
だけど、再会と言っても顔合わせはなかった。ただ作家さんに通じて彼の近況をすこしぐらい聞いただけ。
七年って遠く昔のような感じだなあ。あの時はまだ31歳で、見た目も心境も独身の時とはかなり変わった。でも、この取材を機に、彼は今ごろどうなっただろうと思わず考えちゃう。
作家さんに彼のインタビュービデオを見せようと言ったが、やっぱりやめとくと決めた。あの時のままの彼を自分の記憶に残したかった。今はお互いもう結婚したし、子供も生まれたので、それぞれの幸せが見つけたならそれでいいと思う。わざわざ会う意味はない。
あれからいろいろあったなあ。
三無さんと、いや今は夫です、夫と付き合い始めたのはロンドンへ行ったその年のクリスマスだった。そのタイミングにスケートリンクで告白されたのはある意味予想外だった。でも、向こうの気持ちはずっと分かっていたので、私は夫がいつ告白するかを待っていた感じかもしれなかった。
でも、プロポーズされるとはさすがに読めなかった。夫が新しい家に引っ越すつもりなので、二人で一緒に住もうと考えていた。前の恋人とあんなふうになっていたから、てっきり結婚に対して乗り気がないと勝手に思ってた。だから最初は一緒に暮らそうという提案は同棲という意味で捉えました。まさか、夫と妻として一緒に住みたいって、一瞬耳を疑った。結果的に、OKした。自分でもびっくりしたぐらい即答だった。
なぜ自分が夫のプロポーズをすんなりと受け入れたのに、彼との時はあんなに拒絶したのか、今考えると多分タイミングが一因だと思った。彼とはうまく行かなかったのに、彼は私たちの問題を解決するために結婚を解決策として挙げられたので、当然ながら自分はそれを受け入れられなかった。逆に夫との交際期間は短いだけど、二人の関係はある程度安定していたので、結婚は私たちにとって自然の成り行きだと思った。
彼との恋は実らなかったけど、その恋愛からいろいろ勉強なったと思った。
自分の気持ちをもっと素直に相手に伝えて、そしてもっとオープンに相手の気持ちを受け入れることが大事だと気づいた。彼には申し訳ないと思ったのは、私は前の恋で傷づいたから、自分の心を守るために、そして彼に嫌われないために、自分が本当に思うことを彼に言わなかった。そのせいで、自分の不安と不満がどんどん溜めていて、何度も彼に八つ当たりした。もっと早く自分の気持ちを伝えたら、もっと冷静に話し合ったら、多分違う結末になったでしょう。
プロポーズを受けたとは言え、すぐ結婚しなかったのはいろいろがあったから。まず、ロンドンで新居探しと引っ越しが二か月ほどかかった。その地域は結構人気があるので、二人が納得できる新居を探すのは大変だった。結果的に、前のマンションとはかなり近い物件を見つけて、家具とかも買わずにそのまま引っ越した。
次の「難関」は婚姻登録だった。韓国と日本両方で外国人と結婚するためには、いろんな書類が必要されて、準備するのも時間がかかった。ようやく全部を整えた時、私たちは9月の
実は一つのことを言いそびれた。夫の元カノは友達から私たちが結婚することを知った。それで、私たちはソウルにいた間、夫に何度も連絡し、二人きりで話そうと呼び出した。しかし、夫はその要求を断った。多分その元カノはこれでようやく諦めたかもしれない。
二人はロンドンの仕事でかなり忙しいから、韓国と日本で二回も結婚式を挙げるのはめんどくさいだと思って、その翌年の春ごろにロンドンでやると決めた。韓国と日本にいる家族、二人の親しい友人、ロンドンでの同僚数名とマンションの大家さんと住民たちが参加したささやかな結婚式だったけど、みんなに暖かく見守れ祝福されたことでとてもうれしいかった。
もちろん、結婚パーティーで私たちにとって思い出深いのあのラブソングを一緒に歌った。
結婚してから3年目、男女の双子を出産した、二人はもうすぐ4歳になります。出産後会社に相談し、仕事のスケジュールを調整してもらい、子育てと仕事の両立ができた。
その後ロンドンで三年間生活をして、夫は家族企業に手伝うことになったから、みんなでソウルへ戻ることになった。ソウルに来てまだ一年で、新しい環境にいる不安もたくさん、そして日常生活のために韓国語を勉強しなければならないけど、家族のおかげで何とかやっていけます。そして、すこしづつだけど、最近は育児の合間に翻訳の仕事がし始めた。
今回は丁度子供を連れて実家へ帰る期間に作家さんが取材してくれた。
私は番組はどうなっているかはすごく気になるが、夫は彼も取材を受けていたことを知り、何だかいきなり番組に対する関心が強めた。
「ようやくあなたのラブストーリーの全貌が分かるから、俺は絶対見る。」
いや、再現ドラマの内容は現実に基づいたけど、ある程度の変更と設定チェンジもあるでしょう。
この人、彼に対して今だに対抗心があるみたいだね。もうあなたと結婚しているのに、本当に参ったな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます