第60話 取材

自己紹介を遅れました、すみません。私はあるテレビ局の放送作家です。


最近は新しい恋愛観察バラエティー番組の準備をしているので、いろんな方に取材をしています。


この番組のテーマは残念な結末を迎えった実らなかった恋です。


恋愛観察系のバラエティーは今までたくさんあるけど、主に恋愛がどうしてダメになった理由を討論する番組はあまりないと思います。今回の番組は人気俳優陣が再現ドラマに出ることもあって、話題になるのは予想されます。だから、上層部がこの提案を聞いた時、結構乗り気になって、準備を進めることを許可しました。


それで、いろんな方の話を聞いているうちに、あることを気づきました。


まさか当事者の二人は同じ番組の集材対象者だなんて、こういう偶然って今までありません。


まず、会ったのは彼の方でした。ある知人の紹介で知り合ったので、私は結構心配しました。だって初対面の人に自分の恋愛話を詳しく聞かされるというのは抵抗があるかもしれないからです。だけど、彼は私から番組の趣旨を聞いて、納得したように自らいろんなことを話してくれました。これは本当にありがたいことです。


彼女と会ったのは彼の集材から数週間後でした。彼女の大学時代の先輩は私の会社の先輩でもあったので、彼女を紹介してもらいました。彼女と会った時、先輩が最初に同席したけど、その後彼女と二人きりで話をしました。


もちろん、二人が集材を受けた時、相手の本名、職業、会社名などの詳細を明かさなかった。だけど、話を聞いているうちに、合致したところはあまりにも多くて、まさかと思ったが、後に確認したところ、自分の予想通りでした。


この番組を準備しているために、いろんな恋愛話を聞いたが、この二人のストーリーは特に印象に残りました。もちろん、二人がお互いの元恋人だったことは一因ですけど、二年という短い間でこんなにも波乱万丈な恋愛をしたこと、そして別れの過程はとても切ないので、自分まで悲しくなっていました。


彼の話を聞いた時、私にこういう印象を与えました。彼は本当に彼女のことを愛していたし、そして今でも忘れられなかったみたいです。二人が別れたのはすでに7年前のことだけど、彼は彼女のことを話している時、何だか淡い悲しみを混じるような笑顔を見せていました。あの時、あの恋が実らなかったことに残念そうな感じが残ったままでした。


逆に彼女の話を聞いた時、懐かしく遠く昔のいい思い出を語っているような口調でした。彼女にとっての彼は、すでに過去の人だけど、でも彼のおかげで自分も成長したという感謝の気持ちが込められました。


この二人はいったいどこから間違えたんですか?


社内恋愛?極秘交際?職場での格差?他人の過剰な関心?嘘の噂話?遠距離恋愛?年齢や性格の差で価値観がずれていたこと?


理由は挙げたくても、きりがないです。


今更だけど、この二人にとって、この答えを見つけ出しても、もう意味がありません。


だけど、ダメになった恋愛から学べることってたくさんあります。過ちから得た教訓は、次の恋に役立つかもしれないです。


多分この二人にとって、あの実らなかった恋がなければ、今の幸せに繋がらなかったかもしれないです。


すべての取材を終えた時、二人にお互いが同じ番組の取材を受けたことを話した。二人はこの偶然にびっくりしましたが、同時に面白くそして不思議な縁だと思っていました。お互いのインタビュービデオを見たいですかって聞いたが、予想外のことは二人ともこの提案を断った。その理由を聞くと、


「今彼女を見ても、何も変わらないから。元気でいれば、それでいい。」

「彼は幸せにいれば、それが一番。」


そう聴いた私は、ただ二人の幸せを願っていました。たとえ、別々の人と一緒にいたとしても。

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