第24話 誤解

夏がやってきた。


会社の同僚はいつものメンバーに、次の週末に地元で1泊2日の旅行に行かないかって誘った。結局、行きたいと言った人数は10人以上がいて、半分ぐらいは女子だった。みんなはペンションを貸し切って、そこで泊まることを決めた。


彼は旅行について彼女に言ったが、詳細をなんとなく曖昧のままにした。隠すべきなものではないけど、女子メンバーの中に新人後輩ちゃんがいたってことだけは言うべきではなかったと判断をした。


彼女はせっかくの夏休みなのに、自分が忙しくて彼とどこも行けないことに申し訳なくと思い、この旅行の話が来たっていうのは実にラッキーだった。せめて彼はこの旅行で楽しんでいたら、機嫌もよくなるでしょう。それに、自分もその週末にロンドン転勤の面接準備をしなければならないので、彼はいない方が自分にとっても好都合だ。


でも、旅行の初日に思わぬことが発生した。彼はある面識のない女性を連れてきて、集合場所に集めたメンバーを驚かせた。


彼がみんなにこう説明した。その女性は彼と同じ地元からの親友で、最近上京したばかり、まだ友達は少なかった。だから、気分転換を兼ねて、この旅行に連れてくることになった。みんなにもっと驚いたことに、彼はその親友の旅費も代わりに払った。


彼と親しい同僚の一人はどうしてもこんな説明を信じなくて、二人きりになったらすぐに聞くことをした。


「本当の理由はなんだ?知らない女を自分の会社の同僚に会わせるって、やっぱり特別な女でしょう?」

「だから、言っていたことはすべてだ。本当に地元の親友だ。上京してからいつも一人ぼっちで、週末もあまり外に出ないから。せめて、旅行でも行って気晴らしになるじゃないかって。変な想像をしないで欲しい。」

「何だ、本当にそうなの?だけどなあ、やっぱりみんなに誤解されるよ。それに、みんなは前からあんたが好きな女は彼女って思ってたから、まさか違う女を連れてくるって…」

「変な想像しないで欲しい。親友のことも、彼女のことも、特別な関係じゃないから。」


それから何事もなくのように、みんなでいろんな所へ観光したし、買い物もした。日が暮れたら、ペンションでバーベキュー、お酒と会話を楽しんでいた。


だけど、彼の「ファン」たちは、その親友さんが現れたことについて面白くないと思った。特に、危機感を感じていた新人後輩ちゃんは、もう待ちたくないと思って、彼に告白すると決めた。


新人後輩ちゃんは彼を呼び出し、二人で話したいと言った。彼は後輩の好意を薄々感じていたので、ちゃんと断るべきだと思って、そのお願いを受けた。


「先輩って好きな人がいる?」

「いる。」

「まさか、その連れてきた親友さんじゃないよね?」

「あれは本当に地元からの親友。恋愛対象ではない。」

「じゃ、誰を好きですか?」

「それは言うつもりはない。」

「私は先輩のことが好き、付き合ってください。」

「それは無理だ。彼女がいるから。」

「そういう人はいないでしょう?私の告白を断るために、空想彼女まで作るの?」

「とにかく、この話はもうおしまいだ。」


彼はその場を離れようとしたが、新人後輩ちゃんは彼を力いっぱいの勢いで抱きしめた。


「私は諦めないから。本当に彼女がいるなら、連れてきてください。じゃないと、私はあなたの嘘を信じないよ。」


そう言われた彼は、この瞬間に秘密交際のことをすごく後悔していた。言いたくても言えないこの状況をどうすべきかはわからなかった。

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