第8話 彼の視点 その2

正直に言うと、俺も自分がしたことにびっくりした。


いったいどこからの勇気で、そんなことを彼女に言ったの?


初めて誰かにここまで強い気持ちを抱いていたなんて、今までの俺にしては考えられないことだった。前の彼女に自分から告白したけど、二人は最初からお互いに好意を持っていたので、付き合い始めるまではそんなに時間が掛からなかったし、もちろんあの時は今みたいのもどかしい状況ではなかった。


彼女は実に手強い相手だ。まるで逃げ回る獲物みたいに、ハンターはなかなか近づけない。


でも、俺は諦めたくなかった。結婚パーティーで会ったときにこれを確信した。


うまく説明できないけど、俺は彼女に一目ぼれしたわけじゃなかった。ただ、静かに彼女を遠くから見ているうちに、だんだん好きになった。あの初めて話ができた夜以来、俺の気持ちはますます強くなった。あんなに趣味嗜好が合って、会話が途切れなく続く人とはこれから出会わないだろうと強く信じた。


彼女を逃したくない、もっと一緒にいたい、ともに時間を過ごしたい。


これからどうすべきか、まだ分からないが、これでもう迷わない。俺は前へ進むしかない。

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