第7話 彼女の視点 その2

疲れた、本当に。


なぜ彼はあんなことを言ったの?あんなふうにされても、何で諦めなかったの?


正直に言うと、彼と話をしていた時はすごく楽しかった。でも同時に、こんなふうに誰かを好きになっていくことが怖かった。自分の気持ちを抑えることが精一杯なので、もうこれ以上彼と関わりたくなかった。


自分に誓ったのに、社内恋愛は二度としたくないこと。


前の彼氏は会社で知り合った人で、恋愛中は毎日会社で会えることがどれほどいいと思っていた。しかし、別れた後はまさに生き地獄だった。何もないようにふりをして、前と変わらないようにその元カレと接しなければならないというのは、そんなふうに辛いなんて、想像もしなかった。


だから、私は逃げることを選択した。


なのに…


彼のあの真剣なまなざし、あの偽りのない決意宣言で、自分の決心は弱っていくのを自覚していた。これはやばい。


なんで私を好きになったの?何度も自分に問いかけたが、答えが出てこなかった。こんな素っ気ない女のどこがいい?正直、私だって自分と恋愛したくないぐらいだと思った。周りに可愛い子が結構いるのに。彼は異性に人気があるのに。


彼の考えはいったい何なんだ?


まあ、彼の気持ちがどうであれ、私はガードを固めたらいいと思った。そうすることで自分の心が守れるでしょう。


でも、今の時点ではもう手遅れかもしれない。

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