小学時代⑴

小学校に入る前

全くよく知らない土地へ引越しをした。

理由はただ区切りがいいからと聞かされた。


それから数週間が経ち


いよいよ私は小学生になった。

これから何が始まるのか、

どんな事に出会えるのか、

あの頃の私は期待に満ち溢れていた。



勉強はとても楽しかった。

人より出来は悪い方だったが

それでも知らない事を知る喜びを学んだ。


でもパパとママは私のテストをみて

「勉強なんか出来なくても

馬鹿でもいいんだよ」なんて

笑って終わらせるから

私は期待なんてされてなかったと思い知った。


頑張ったら認めてもらえると思っていた。

それがどういう形であれど

とにかくいい子で頑張り続ければ

私を見てくれると思い込んでいた。


でも全部違った。

最初から私の事なんて見てなかった。

興味なんてなかったんだ。

私なんて要らなかったんだ。



だから沢山悪い事をした。



まずは、

宿題をしなくなった。

外へ遊びに行けば悪友と共に

空き家に入り浸るようになった。

門限だって破るようになった。

子供が思いつく限りの悪い事をした。

でも、私が何をしたって父と母は

私と向き合ってはくれなかった。


宿題をしなくても別に怒られないし、

私がどこかに遊びに行ったって

聞いてもこないから知らないんだと思う。

それなのに

門限を破ったら家に入れてくれなくなる。

入れてくれたかと思えば、

ママは癇癪を起こして私を怒鳴りつけ

私の足を掴み物置まで引きずり

私を真っ暗闇に閉じこめた。

パパは泣いて嫌がる私になんか目もくれず

黙々とご飯を食べ続けていた。



でも私はその環境が普通であって

大きくなるまでなんの違和感もなかった。

周りもみんなそうなんだと思っていた。

私が全部悪いんだと思い込んでいた。

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和奏 @Yuki_094

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