第3話
驚いちゃった。
幸せ以外のものは、近づいてこない様な
「妹さん、悪いの?」
「新しい治療を受けるらしい。それが駄目なら…」
あれ?珍しく兄貴の歯切れ悪い。
それに今、美咲って、呼び捨てじゃなかった。
まあそれは、いいけど、あんな可愛い
翌日から、あたし、勝手に美咲ちゃんのお見舞いに通いだした。
勇樹と顔を合わせると、泣きそうになるけど、兄貴からあんな話を聞けば、行くしかないわよね。
美咲ちゃんって見た目だけじゃなくって、頭も良かったのね。小学校から、私立に行ってたみたい。どうりで、同じ年齢なのに、あまり知らないわけよ。
1週間も経つと、美咲は、私の親友になったわ。そうなると、言いにくいのよね、勇樹に失恋した事ね。
なんとなくね。
「美咲って、どんな男が、好みなわけ?」
この質問は、美咲が、元気ないなって思う時、してあげるの。やっぱり病気は、たいへんそうで、時々、青い顔して苦しそうな時が、有るからね。
美咲って、ウブだから、真っ赤になってそれは、可愛くなるのよ。
あれ?これって本当は、身体に悪い?
時々、兄貴もお見舞いに来るのよ。その時
同じ様な顔になっているのが、不思議なんだけど。
まあ、バンドボーカルで、歌作っているのにもてない兄貴なんかを薦めるのは、気が引けるので、何も言えないけどね。
妹としては、もてない兄貴は、心配してるのよ。まあ、私自身の心配しろって言われそうだけど。
新しい治療が美咲には、合っていたみたいで、半年と宣告された余命が、9ヶ月、10ヶ月と、持ちこたえ、宣告された日から、一年後の武蔵野フェスに二人で行こうって約束出来る様になったわ。
まあ、前回のあの時、勇樹に振られたんだけどね。
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