第5話

その日は朝から雨が降っていた。

丁度いい。俺が殺した証拠もこの雨と一緒にながれてくれればいいのだが。


俺は朝早くから昨日の森に戻ってきていた。


この村を出ないといけない。

俺は家族に手紙を書いて家を出た。

家族だけは守らなければならない。

少し胸が痛かったが、振り切って家を出た。


家族に手を出されないようにするにはどうすればいいか。

俺は考えた。俺が殺したことを知られた時点でそれはもう

ゲームオーバーだ。つまり俺が殺したように見えなくすればいい。


そうだ。


良い手があるじゃないか。

俺はいつの間にか口角を上げていた。


キールのことを恨んでいる反乱軍団のせいにすれば良いんだ。

村を出てからはまだ何をするか決めていなかった。


森の中に落ちていた神官の首を拾って、教会の中に入った。

そして、俺は椅子の下に首を置いた。

そして、反乱軍のシンボルである眼にバツ印をつけたマークを血で壁に書き込んだ。


これが俺の神への反抗の第一歩だ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る