第27話 退屈に任せて書いた駄文
ただつまらない日常に飽き飽きとしている。
こんな時には心に響く、いや後味の悪い所謂胸糞小説と言われるものを読みたくなる。
私だってそのようなことを繰り返していると小説越しに色々と不快な思いをしてきた。当然のことだ。
主人公格、あるいは準主人公格の人間が不幸になるようなもので心が晴れる人間なんてどう考えても『普通』からはかけ離れていると言えるだろう。
だが私が読み切ることの出来なかった後味の悪い小説は今までを通じても片手で数えれるぐらいしかないだろう。短編集という形を除けば1作品しかない。
などと過去のことを語ったがそれはどうでもいい。
そして世の中には過去を語れば同情されるであろう所謂『可哀想』な人間も数多くいる。
信頼している兄弟に犯された人もいれば、いじめによって失明した人間もいる。そんな人達でさえ何年もすれば気にせずのほほんと生きている。
そして私が真に可哀想だと思うのはそれを見て『可哀想』だと同情している私達の存在だ。本人が気にしていない、忘れ去っていることを思い出させ、あまつさえ独りよがりな偽善心に任せて『可哀想』なんて抜かす。私も含めて人としての底辺、クズである。
しかし一般の人間には経験し難いことを経験している、ということに対して私は心の奥底で羨望を感じている。そんな気がする。
私も他人と違うことに憧れるしょうもない心を捨てきれない、大人になっても子供のままで臭い発言ばかりしている『子供大人』になってしまっているのかもしれない。
子供の頃分からなかった「大人になる」ってこと、
大人になって更にわからなくなった「大人になる」ってこと。
子供の頃に抱いていた夢は歳をとるにつれて擦り切れ磨耗する。
自分の都合のいいように物事が進む方がよっぽど楽しいじゃないか、そんなご都合主義によって人気の出るライトノベル、それを見て物書きに憧れる人が増える。
そして対して人気も出ずに心が折れる。
この虚しさが私が最初に感じていたものだろう。
ずっとこの楽しさが続けばいいのに、なんて考えながら。
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