第34話 眠ったら終わり
やばい。いつぶりだ、こんなに酔ったのは......。しかもこの穏やかな電車の揺れによって、座っている俺はさらに眠たくなってしまう。
まぁ、吐き気がしないだけマシか。
でも、隆志のお気に入りのミキちゃん。
ちょっといくら何でも質問が多すぎなかったか? それもパーソナルな質問がかなり。
ああいうところの女性って普通は聞き上手なのではないのだろうか?
何で逆?
まぁ、もう行くことはないだろうから何でもいいけれど。ガチで眠りそう。
もう隆志とは分かれたから。このまま眠ってしまった場合、起きた時には確実に俺はもう見知らぬ場所にいるのだろう。それだけは何としてでも避けたいところ。
あと、ミキちゃん。何度も言うが何故か彼女を見ていると本当に誰かを思い出しそうになった......
そしてそれが誰かはもう喉元まで出てきている感じなのに。寸前のところで結局わからない。
本当に誰だ......
って、またこの車内アナウンスか。
でもそうか。そうだよな。もう本格的にクリスマスが始まる。
どこもかしこも完全にフライングしてクリスマスムード
今月に入ってこのジングルベルの音楽を既に何回聞いただろう。
そして、今年のクリスマスは結局俺は独りだ。
なんて思ってはいたが、何だかんだでついさっきちょうどこの電車に乗り込む前に予定が入った。
美桜と一緒に......
まぁ、俺は何の予定もないし断る理由もない。だから向こうがいいのなら俺は問題はないが......本当にいいのか?
もし気を遣われているのなら申し訳ない半面、色んな意味で恥ずかしい。
でもちょうど良かったのかもしれないな。
結局、何だかんだあそこもキャンセルできていなかったし。
正直、予約待ちもすごいし真剣に美味しそうでもったいなくて。まぁ、それだけではないのだけれでも。
でも、どちらにせよ良かった。
ただ、場所的に電車ではなく車の方が確実にいいから、その日は結果として美桜には俺の車に乗ってもらうことになるだろう。
一応その旨は先に伝えておくかな。
嫌ならばまぁ、電車でも行けなくはないがな。
そしてまた天気予報ではその日は雪か。
まさにホワイトクリスマス。
って、それこそどうでもいいか。
ん?
ふいに、そんなことを考えている俺のスマホにはまた電話。
今度は戸田か。
でも、電車の中だから出られない。一旦家に帰ってから折り返すか?
いや、とりあえずlineで何があったかだけは聞いておこうか。
って、や、やばい。マジで寝そう......
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