第14話 いつもより早い朝
眩しい......。
何だ? 俺は昨日カーテンを開けっ放しで寝たのか?
とりあえず今はえーっと、朝の5時か。
早いな。うっ、しかも何だ。頭が痛い?
「ん?」
あれ? 確か何か昨日色々とあった様な気が。
それも結構それなりの......
それに
いや、布団の中だけどもぼんやりと思い出してきたぞ。
確か.........あっ
そ、そうだ。俺、山本さんにかなり申し訳ないことを。
本当に申し訳のないことを。
完全に思い出した。
確か、昨日あの後に俺はどうしようもなくなって戸田を山本さんの家に。
そうだ......。これもかなり恥ずかしかったけど、そうするしかないから居酒屋からずっとお姫様だっこ? いやそんな良いものではないか。みたいな感じでとりあえずここまであいつを運んできたんだ。
それで幸運にも山本さんも既に家に帰って来ていたから、もう土下座する勢いで本当に申し訳ないけどお願いして......。
そうだ。あの時の山本さんが驚いていた顔も思い出してきた。
それはもう驚いていたもんな。まぁ、確かに俺も逆の立場なら確実に驚く。
それはそうだよな。
どんな関係とか色々と根掘り葉掘り聞かれたっけ。
まぁ、そのまんま、ただの会社の同僚で酔いつぶれた経緯とかを説明して........。
俺の家にはとてもじゃないけど泊められないからって、本当に心から申し訳ないけどお願いしたんだ。
こんなこと頼めるのは本当に山本さんしかいないんです。何でもしますからって確か言って。
でも、本当に山本さんは優しいと思う。
実際にお願いも聞いてくれて泊めてくれたのだからな。俺の同僚とは言え、まるで見ず知らずの人間を。
心広すぎだろ。神様だ。
本当に申し訳ないと思う。絶対に祝儀とかとは別にそれなりのお礼は確実にしないといけない。そして今後向こうが何か困ったことがあったら絶対に助ける。
真剣に今回は彼女に助けられた。
そして戸田は戸田で昨日はやっぱりおかしかったもんな。
とりあえず、あいつにももうちょっと優しくしてやろうかと思う。あいつが俺に優しくしてくれるかどうかは置いておいて......。
改めてちょっとあいつは頑張りすぎだと思う。
それに、やっぱり一応さりげなく最近何かあったのか聞いてやるか。
おそらく素直には絶対に答えはしないだろうがな。
って、あいつ。もう起きたかな?
いや、さすがにまだか。でも、起きたら絶対にびっくりするだろうな。
見ず知らずの家に見ず知らずの人だもんな。
悪いけど、想像したらちょっと面白くなってきた。
とりあえず、山本さんはあいつが起きたら連絡して俺をそっちに呼んでくれるみたいだから。
連絡を待つか。
あれ? でもそう言えば朝ごはんも皆で一緒に食べましょうとか言ってたっけ。確か山本さんの家で。
い、いや、でも冷静に考えてみたらそこまでしてもらっていいのか?
ただ、そもそも向こうから言ってきてくれたことでもあるし、俺もさすがに悪いから断った記憶があるけれど。何故か強引にそんな流れに。
でも、本当に家にお邪魔していいのか? まぁ、でも実際そういうことになったからとりあえず従うか。戸田もいるしな。
こっちは本当に山本さんには頭が上がらない立場だし。
あっ、連絡が来た。
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