小休止

これまでのあらすじ その1

 世界を裏で操る巨大な組織『紅の冠くれないのかんむり』。その跡取りであると司道 令しどうれいに告げたのは、漆黒のスーツを身に纏った、仕事できる系の女性(実は歳下)、天井 花乃あまいかのであった。


 半ば脅迫めいたお願いを了承し、晴れて世界を手中に収めた令が組織の試運転に選んだのは、令に掃除を押し付けた生徒たちへ、「掃除の楽しさをわからせる」というもの。

 花乃のため息を吐きながらの号令により、『紅の冠』は見事にそれを実行した。


 実質的に能力皆無な令に代わり花乃が雑務をこなすまではよかったが、なんと令のただれた私生活を改善すべく、花乃は泊まり込みで令の世話をすることになった。

 そうして令の、何処からか視線を感じる女の子との同居が始まったのであった。


 順調に哀れな生徒たちは教育を施され、令の前に平伏する。その姿と自らの部下に慄く令であったが、それ以上に視線が痛い。

 視線の主は令の権力を狙うお嬢様、星影 宙ほしかげそらであった。


 胃痛のする生活が始まったことを痛感する令であったが、同級生の島波 なぎさしまなみなぎさに導かれ、人だかりの中へ突入すると、その中心にはまさかの花乃が。花乃が編入してきたのだ。


 辺り一面に散らばる波乱の種。令は世界を正しく牛耳ることができるのか!?

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