第4話 恋歌あれから④

「恋歌あれから④」


港の夜景 夜も更けて

ちりばめられた宝石は

金剛石の瞬きか

高層階の窓ガラス


熱いコーヒー入れてみた

少し濃い目のウイスキー

テーブル越しに語り合う

あれからのこと物語


あれから僕は我慢した

辛くて寂しい日々だった

それでも一人で生きてきた

君を忘れるそのために


あれから君はどうしてた

とっくに結婚いい人と

幸せ家庭築くはず

そうなるために立ち去った


一言ひとこと噛みしめて

君に伝えた僕のこと

まるで初めて会った日に

君を口説いたときのよう


耳をすまして聞いていた

君が話した物語

悲しい恋の物語

張本人は目の前に


それからずっと僕たちは

語り明かした今日までを

何度も何度も頷いた

何度も何度も涙した


「あの頃は楽しかったね。」

「うん。楽しかった。」

「あの頃は嬉しかったよ。」

「うん。嬉しかった。」

「あの頃が一番好きだった。」

「うん。好きだった。でも・・。」


「今日が一番。一番楽しくて嬉しくて輝いているの。だから・・・。」

「だから?」

「だから・・・・。」

「だから?」

「私の前からいなくならないで・・・。」

「うん。」





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