第2話 恋歌あれから②

「恋歌あれから②」


何のことだかわからない

あっけにとられ呆然とし

も一度ラインを読み直す

誰のいたずら?誰だろう


こんな遠くに知り合いは

いるはず無いさ二百キロ

こらえきれずにやってきた

君の面影 追いかけて


夜風が少し肌寒い

いつの間にやら夕映えの

港の風も夜の色


確かに誰かの声がする

僕の名を呼ぶ声がする

不思議な気持ち夢の中

それからそっと振り返る


夢かうつつか幻か

こんなことなどあり得ない

どうしてなのかわからない

それでも心がはじけ飛ぶ


見覚えのあるシルエット

港の光を背にしても

顔が暗くて見えずとも

違えるはずない君のこと


「どうして?」


「驚いた?」


「うん。」

「変わってないね。」


「うん。」


「何か言って。」


「うん。」「どうして・・・?」


「今日は何の日?」

「うん。」

「何の日?」

「・・・・・。」

「何の日?」


「始めてのデートでここに来た日。」

「正解。」


「どうしてここに?」

「来てみたの。」「あなたがいるような気がして。」

「どうして・・・?」

「あなたに会いたかったから。」

「うん。」


涙があふれて止まらない

君の涙も止まらない

人目も気にせず僕たちは

涙を拭う抱しめる

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