第1章 第14話
小学校の入学式。
ばあちゃん(パパのママ)が買ってくれたピンクのワンピースが可愛すぎて嬉しい!
「おはよう!」
「あっ、おはよう!」
遥ちゃんが来た。
「ピンクのランドセルもピンクの服も可愛いね!」
「赤のランドセル、カッコいいよ!
その服もステキ!」
ほめ合っている二人。
果たしてクラスは……。
「やったぁ!
同じクラスじゃん!」
「本当だ!」
私と遥ちゃんは手を繋いで、ピョンピョン跳ねて喜んだ。
「先生は……。
たちばななおきせんせい?」
平仮名で書いてあるから読める。
「あれ?
沙希、立花先生って拓哉君も教わってたと思うよ?」
ママが教えてくれた。
「え?
拓哉君も?」
「同じだね。
良かったね!」
「うん!」
拓哉君の知ってる先生!
拓哉君と同じ!
それが嬉しい……けど、どうせなら、カッコいい方が良い。
「私、女の先生が良かったな。」
「え?
何で?」
「身体測定とか恥ずかしいじゃん!」
「女の先生がやるんじゃないの?」
「それならいいけど。」
私はまだ恥ずかしいとか無かった。
パパと一緒にお風呂に入るし。
でも遥ちゃんはママじゃないと嫌って言っている。
「ねぇ、体育って、男子と一緒に着替えるんでしょ?」
「そうじゃない?」
「一年生でも女だよ?」
遥ちゃんは幼稚園でもカーテンで隠れて着替えてた。
私がちゃんと隠す係だった。
小学校でもカーテンに隠れるのかな?
「でも、沙希ちゃんと一緒で良かった。
一人じゃ隠れられるか心配だもん。」
「他にもお友達作ったらいいんだよ。
皆で順番にしたらいいじゃん。」
「そうだけど。」
遥ちゃんは友達が多い。
でも何故か私のそばにいたいと言う。
私はあまり友達を作れるタイプじゃない。
「あっ、あの人が先生だって!」
「うわぁ……カッコいい!」
「本当だね!」
「拓哉君には負けるよ?」
「そう?」
先生もカッコいい。
拓哉君はもっとカッコいい!
「ねぇねぇ、あそこにいる人、カッコいいよ!」
「え?」
「同じクラスならいいな。」
遥ちゃんは幼稚園の時からカッコいい男子大好きだった。
私も好きだけど。
「拓哉君には負けるし!」
「確かにカッコいいけど、四つも上なんでしょ?
大人じゃん!」
「大人なのがいいの!」
6歳の少女達にとって、10歳は大人らしい。
でも新一年生と、新五年生。
教室も離れているし、学校でバッタリ会う事も少ない。
しょっちゅう会えると思ってたのに。
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