3-7
「異能部?知らないなぁ。」
「じゃあ、『異能』ってのは?超能力の劣化版……と言ったら違うかもしれないけれど、一人に一つ別々の能力があるものは?」
「漫画では見たことはあるけど、現実ではないな。」
「二つとも、あるんだよ。」
「え?」
一輝は、説明した。異能使いというのは後天的な超能力者で、一輝の発火、弓の念動力など、決まった能力しか使えない超能力者のこと、異能部は豚糸市内の高校に多くあり、異能使いを集めている組織のようなものであること。
「そして、これが一番言いたかったこと。僕、その異能を手に入れたんだ。パイロキネシスの異能を。」
夕月は驚いた。夕月は小さい頃、一輝が超能力に憧れていることを知っていた。実際、一輝が力を使えると知ると、感慨深いものがある。
「本当?おめでとう!」
「そこで、ユヅに聞きたいんだ。ユヅの持ってる超能力でできること。手に入れた経緯。その情報が六高の異能部を強くするんだ。」
一輝の目は必死だった。夕月はこれに応えるように答えた。
「経緯、と言っても生まれつきだよ。家族や親族に超能力者はいないから何故僕にあるのかは分からない。超能力でできること……は、大抵のことをやろうとしたら出来るけど、練習が必要かな。最近だと、空中浮遊ができるようになるのに、かなり練習していたな。」
一輝は、夕月の話している内容を覚えようと努めた。それと同時に、超能力の世界は、かなら奥深いものなのではないかと感じていた。
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