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未那都には、はじめから違和感があった。超能力を異能と呼ぶこと。それは、個々の能力者が別の力しか使えないことを指していたことに気がついた。
未那都の知っている超能力者というのは、コントロールを覚えれば様々に変化する力のことだった。しかし、異能部にいる者は全員未那都の知っている超能力者ではないのだ。そもそも、自身のことを異能使いとも呼んでいた。
「ちょっと、私も混乱してきた。もしかしてだけど、生まれつきの能力者?」
「え、はい。寧ろ後天的ってあるんですか?」
両者の間で驚きが訪れた。
「え、ほんと?『本部』に報告しなきゃ。」
そう言って異能部の人達は慌て始めた。
「服部さん、いきなり呼び出してごめんね。これから忙しくなりそうだから帰ってもいいよ。『また明日』ね」
未那都は無理やり帰された。未那都は、明日ここに来ることを決めた。先天的な超能力について色々と聞かれることは分かっていたが、未那都にも異能の持つ情報を知りたい気持ちがあったのだ。
その日の休み時間、夕月と燐はお喋りしていた。
「服部さんとは何とか和解できた。それにしても、すぐ近くに超能力者がたくさんいるなんて思ってもいなかったな。」
「いや、案外そんなことはないぞ。後天的な超能力者もいるって噂だからな。」
「そうなの?」
燐は異能部に入っていない。それなのに何故か、この情報を知っていた。
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