3-3

「異能部……?」

聞き慣れない言葉に未那都は首をかしげた。その様子を汲み取ったとか、弓が説明をする。

「異能部というのは、六高の異能使いを集めた集団みたいなものよ。部活にしてるのは、部室が欲しいから、とりあえず部活にしているだけ。まぁ、部活認定をしている生徒会には、オカルト系の部活だと思われているみたいだけど。あと、戦うというのは、年に二回の『交流戦』だけだから、気負わなくても大丈夫。」

未那都には、疑問が色々あった。その中で、一番最初に声に出たのが、これだった。

「超能力者ってそんなに沢山いるんですか……?」

「結構いるよ。六高の異能部で八人、他の学校の異能部も含めたらそこそこいる。だけど、豚糸市を離れたら殆どいなくなるらしい。」

「そうなんですか?」

「そうなんだよ。長話ごめん、座っていいよ。」

弓はまだ未那都が座っていないことに気付いた。未那都が腰掛けると、自己紹介が始まった。

「私は部長の千草弓、二年。異能は念動力。よろしくね。」

「僕は松尾一輝。二年、異能は発火能力だ。」

羽柴葵はしばあおいです。一年、異能は植物の操作です。」

「俺は東雲宗太しののめそうた。三年生で、異能はテレポートだ。よろしくな」

「服部さんも、名前と学年、異能を言ってもらえる?」

四人の視線が未那都に集まる。

「服部未那都、一年です。ところで、異能ってどのようなものなのでしょうか?」

「え?さっき言ったみたいなものだよ。」

弓が言う。しかし、それは根本的な解決に繋がっていなかった。

「そういうことではなくて……私、念動力も発火も植物操作もテレポートもできるんですが……」

その瞬間、異能部室に驚きの声が上がった。__一輝を除いて。

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