3 異なる力を持つ者たち
3-1
爆発事件の次の日。
爆発の原因については、燐が超能力に理解のある刑事に話を通せたことによって、原因が明るみになることはなかった。しかし、爆発の噂は学校に広がっている。それを止めるのは不可能だ。夕月は、それになるべく触れないようにして、その日を乗り切った。元気にその話題を出されても、何も知らない人のふりをしてあしらっていた。そんな中、水面下である団体が動いていた。
「あの爆発は、『異能力』の仕業であると見て問題ないか?」
薄暗い部屋で、一人が問いかける。
「ああ。僕も被害者の一人だ。あの事件を起こしたのは、一人の生徒だ。名前は知らないから、きっと一年生か三年生だろう。顔は覚えている。」
「それさえ分かれば大丈夫よ。彼女が加われば、私達はさらに上に進める__」
リーダーらしき人が、にやりと笑っていた。
その日の放課後、未那都は帰り路を急いでいた。
「見つけた。あの人です。」
「了解。私が行くわ。」
リーダーと思われる少女は、未那都の道を遮るように立った。
「すみません。少し話をいいかな。」
「は、はぁ……」
未那都は訳が分からず、このような返答しかできなかった。
「私は
「服部未那都です。」
未那都は、名前も知らないのに話しかけたのかよ、というツッコミは完全に頭から抜けていた。弓は、要件をさらに続ける。
「私はあなたが異能使いだと聞いてここに来た。服部さん、私達の仲間に入ってくれない?」
「へ?」
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