2-6
尋斗が死んだところを見た未那都は、悲しみよりも、尋斗が死んだ原因を恨むようになった。「尋斗をいじめた二年一組に復讐したい」と考えたが、それを行動に移す度胸がなかった。
「その思いが利用されたって訳か。」
「うん……。私って、最低だな。こんなので解決できる訳でもないのに。」
夕月ははっとした。思い当たる節があったのだろう。そして、両手を握りしめていた。
「ところで、『負の感情を増幅させる何か』が実際あるんだとしたら、それを持つ者と服部が接触したことになるのではないか?心当たりはあるか?」
燐が未那都に畳み掛ける。未那都は首を横に振る。
「じゃあ通り魔的な犯行か空気感染のような類いかのどっちかだな。あとはここを元通りにすれば、気に病むことはないと思うぞ。」
「私……、それでいいの?」
燐は首を縦に降る。事件の経緯を聞いて以降黙っていた夕月も、手伝う意思を見せる。
教室を元に戻すのは、力を使えば五分もかからずに終わった。未那都の暴走で傷つけた人達に謝ろうと、教室のバリアを解除し、廊下に出ると__廊下には誰もいなかった。きっと逃げたのだろう。野次もいなかった。きっと長すぎて興味が失せたのか、入れないし見ることすらできないことに気づき教室に戻ったのかのどちらかだろう。そう解決し、三人はそれぞれの教室に戻る。
しかし、教室には誰もいなかった。
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