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前髪を掴まれるのは地味に痛かった。
「私を止められるんだろう?なら、使ってくれよ!あんたの力を!」
夕月と燐は気づいていた。話がずれていることに。はじめ、未那都は邪魔をするなと言っていた。しかし、今では超能力を使ってくれと言っている。今、夕月が超能力を使えば未那都のしていたことの邪魔になることはほぼ確実だ。つまり、未那都の中で何かが起こったと言える。
「なぁ、私を止めてみてよ……麻陽夕月。」
実際、未那都の中では「変化」が起こっていた。未那都は何かに取り憑かれたようにこの教室の生徒を超能力で傷つけた。そう、本当に「何かに取り憑かれて」いたのだ。彼女はそれに気づいた。自分自身が無関係な人を傷つけてしまったという罪悪感。自分が傷つかないと許されないという感情。そう分かっているのに、行動が追いついてくれない。未那都にはそれが辛かった。
「高倉君、さっき『操られているみたい』って言ったよね?実際そうみたいだ。言っていることとしていることがおかしい。」
「予測で言ったんだけど、そうなのか。ユヅは、元凶を倒すことはできるか?」
「人に力を向けるのは気が向かないけど、やってみるよ。」
夕月は未那都に手を向けた。超能力の出力をあげようとすると、彼女に入っている「何か」が鮮明に見えた。そして、力の弾を、「何か」に向けて撃った。
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