2-2

バリアに囲まれている中に入ると、シャットアウトされていた声が聞こえた。

「やめ……て……ください……」

「駄目だよ。君達はまだ許されない。そして、それを自覚してないんだ。」

「してます……だから……」

一人の少女が二年一組の生徒に暴行を加えていた。先程の声の人は少女の超能力で血に足がついておらず、涙が止まらない。そして、顔に傷がついている。

「何してるんだ!」

「え、人が来たの?なんで来れたの?バリア張ってたはずなのに。もしかして、超能力者?」

超能力者と思われるその少女は、こちらを振りむいた。茶色のミディアムヘアを揺らし、鋭い目で夕月と燐を睨んだ。

「たす……けて……」

倒れていた者たちが、這いながら二人に近づく。しかし、少女のバリアによって近づけない。

「君達、名前は?私は服部未那都はっとりみなと。」

夕月はそう言われ、自身に認識阻害の能力をかけるのを忘れていたことに気づいた。

「高倉燐と麻陽夕月」

「じゃあ、高倉と麻陽。どうしてここに来た?」

「上の階が騒がしかったからだよ。そこにいる人たちに何をしたんだ。」

「そういうことじゃない。バリア張ってたでしょ。どうやって来たの?」

「聞かなくても分かるんじゃないの?服部。僕は超能力者だよ」

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