2 失いたくないと奪うこと
2-1
「そろそろ、潮時かな。」
彼女__
「あいつらは、絶対に許さない。」
夕月と燐は階段をのぼると、殆ど人影が見えなかった。きっと、この状況を危険だと感じたんだろう。二人は、さらに現場に近づく。すると、同じく現場を見ようとしていた人に声をかけられる。
「近付くだけ無駄だぞ。そこには『近付けない』」
「どういう意味ですか」
「言葉の通りだ」
忠告を受けても、さらに近付いた。すると、言葉の意味が分かった。
「そういうことか……教室の周りに、バリアが張られている」
それが示すことは、「首謀者が超能力者」だということだ。しかし、そのバリアは、あまりにも薄すぎた。人が通れない程度の薄さだ。つまり、首謀者は人さえ入らなかったら構わないということだろうか。しかし、バリアなど感じない燐は、楽々とそれを超える。
「ちょっ、高倉君……!」
夕月も、無効化しようと思えばできるのだ。それを使い、燐をバリアの外へと引き出そうとする。
「これは僕達が関わるべき事件じゃない。教室に戻ろう。」
「いや、俺はそうは思わない。むしろワクワクしちまうんだ。ユヅ、付き合ってくれよ。」
始めてユヅと呼ばれたその時、超能力の事件に付き合わされた。
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