1-5
「どうかした?高倉君」
燐がずっと黙っていたので、夕月がいよいよ心配した。
「ごめん。何か思っていたのよりも違うなって。俺、超能力を見くびってたみたいだ。」
壊れたロボットに目を向けて、燐は言う。今までこの実験をさせて、ロボットを壊した者はいなかったのだ。
「ふと思ったんだけど、こんなにもの力を使える麻陽君と、それを無効化する力のある俺がいたら、最強だとか思わないか?」
「いや、そんなことはないと思うけど……」
「でも、俺はそう思う。麻陽君はもっと自信を持ったほうがいいと思うな」
燐が夕月の肩に手を乗せる。
「じゃあ家まで送って帰るよ。」
「いや、家は結構遠いから。電車使うし」
夕月は家を出ると、駅まで歩いた。電車に揺られながら、さっきのは何なんだろうとか考えていた。
「ただいまー。」
「おかえり、夕月。遅かったね」
家に到着すると、出迎えたのは姉の
「ちょっと、用事があってね。母さんは帰ってる?」
「帰ってないよ。今日も帰れないかもって」
麻陽家には、社会人の姉・菜月と中学三年生の弟・
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