第13話 ~間章~ シグルド・シルバーン
俺はシグ!
この国、シルバーン王国の第三王子だった。
次期国王争いで母親は殺され、この国にはホトホト愛想が尽きていた。
俺は、
すぐに跡目争いから身を引き、一般人として暮らすと宣言し、城を出た。
王都から遠く離れたガーランド領まで来て、
冒険者ギルドにシグとして登録して人生の再出発だった。
幸い、良いチームメイトとも巡り合え順調にレベルやランクが上がった。
そして、冒険者としてワクワクする毎日を過ごしていた。
しかし、最近チーム内の男女でくっつき、安定志向にシフト変更してきていた。
冒険をしなくなっていくメンバーとは意見が全く合わなくなっていったのだ。
そんな折だ!
ある少年の噂を担当の受付がポロッと俺に漏らしたのだ!
その情報はスキルで魔法の鞄以上のものを保有できる固有能力だった!
俺は少年に一緒に冒険しようと荷物持ちしないかと声をかけたのだった。
少年は静かに激怒し、俺を引き連れてギルド長まで謝らせる事態になった。
俺の担当の受付は情報漏洩の罪で奴隷落ちにまでなり、
ギルド内ががらりと豹変するようなことにまで発展した。
この大陸に横行する魔法至上主義を、
覆すような文言をわざわざ依頼掲示板に掲げ、ギルドの秩序ごと変えたのだ。
あの少年はヤバイ!面白い!
あのトラブル以来、結構、仲良くはなっている。
一人でもくもくと依頼をこなしているよあいつが気になって、
目が離せなくなっていた。
そして、奴は大量の物資を買い込みスキルの中に貯め込んでいるようだった。
これは何かしでかすな・・・。
俺の冒険者としての感がワクワクと疼いた!
「おいランド!・・・」俺は声をかけずにはいられなかった!
そして、飛竜を倒しにいくという途方もない事をいいやがったのだ!
おもしれえ!面白過ぎるぜ!こいつ!!
俺はもうこの少年にホレていた!男として冒険者としてだぜ!!
一緒に行くことを了承してもらい、今までの仲間とも決別した。
これからが俺の冒険者本番だ!そう思えた。
そして、
これだけではなかった。
この少年の驚くべきはその固有スキルだった・・・。
こんなスキルがあるなんて・・・。
この少年はいずれ、世界を変えるかもしれない。
俺はこの少年を守らなければいけない!
気持ちはカチリと切り替わった音がした!
俺の宿命の様に思えた!
俺はこのためにここにきたのだ。
このために、こいつと出会うためにここに来たのだと・・・
まあこいつには、もっともっと驚かされるんだがな・・・
それはまだまだ後の事だ・・・
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