第7話 初依頼

俺は、冒険者カードを提示することで、宿を取ることが出来た。

やった!

これでお金さえあれば、どこでも寝泊まり出来る。

やっと、人として見られるようになったのだ。

今までは、魔法無しとして、人以下の存在だったのだ・・・。

今まではいくらお金があろうが、一切宿には立ち入りできなかった。

俺に身分証が無かったと言う事がそれを示していたのだ。

学生証。学校卒業証。冒険者カード。貴族印。等・・・、身分証明は色々あるが、

魔法を授かれない者は一切その証明書を取ることはできなかった。

俺はある意味だまして冒険者登録したことにはなるが、

実際の所、本来冒険者登録には魔法の有無は関係ないはずなのだ。

そう、登録の際に貰った冒険者ギルド規約にも書いてある。

一般的な物差しで、受付の人が勝手な判断をして、差別されているのが現状なのだ。

一応、俺も強さの証明が出来たから登録をギリギリしてもらえたと言う所だろう。

担当になったロベルトは結構渋い顔をしていたから、

ロベルトは俺の担当として、俺の成績いかんで査定がつくのだろうな。

まあ見ていな!その内沢山功績をあげてやるよロベルトさん!!


Eランク依頼は採取依頼が殆どだった。

街から少し離れた森の中で薬草や、毒消し草を採取していくお仕事だ。

午前中いっぱい採取すれば十分すぎる程沢山取れる。

10本1束に丁寧にまとめてストックしていく。

10束ずつ納品すれば銀貨5枚にはなる。

これで5万円の稼ぎになるのなら結構な稼ぎだ。

俺は採取から今度は魔物狙いに切り替える。

ゴブリンがいた!

火矢でヘッドショットを決めて、武具化しようと近付くと、

どこからか、もう二匹が飛び出してきた!

罠か!仲間を!あぶね!!

ブン!!と石斧がかすめた!!

俺は咄嗟にサーベルを振りぬくと、二匹同時に仕留める事が出来た!!

凄い・・・。このサーベル・・・。

ピコン!!


・ゴブリンナイフ(魔力を消費して、

解体の際に狙った部位だけをピンポイントで取り除くことが出来る)

・コックリング(アソコに装着すると膨張率、回復力アップ。

一晩に何回でもイケます。)

・妖精の粉(妖精を呼び寄せる)


ウワ!なんだ二番目の奴!!いらね~!

ゴブリンナイフ一つと妖精の粉にします。はい。未成年なんで・・・。

ピコン!ストレージにストックしました!

妖精を呼んで何になるのか分からないけど、一応重要アイテムかもしれないから。

確保しておこうと思った。てか妖精っていたんだな。

もしかしてゴブリンナイフってめちゃめちゃ便利じゃない?

解体苦手だったから嬉しいかも。


まだまだ、森を行く・・・。

おや?あれは・・・。

人食植物の魔物だ!

火矢!!ボウ~・・・ジュワ~・・・。

植物系は炎に弱くて良いね。楽です・・・。

ピコン!!


・いばらの鞭(トゲトゲの付いた鞭)

・痺れ玉  (投げつけると破裂し痺れ粉を撒き散らす)

・催涙弾  (催涙効果を及ぼす弾丸。専用武器にて打ち出す必要あり)


あれ?催涙弾て、あるんだ!専用武器ってことは銃があるってことだな!

面白いぞ!誰かライフルとか持ってないかな・・・?

手榴弾があるからありそうだとは思ったけど・・・。

そうだ・・・。

一応ここでは痺れ玉にしておこう。結構便利そうだから。

ピコン!ストレージにストックしました!


ギルドに戻ると、俺は初依頼を最高な形で達成できたようだ。

採取依頼を真面目にやる人はそうそう居ないらしく、

薬草と毒消し草を丁寧に採取してきた俺に高評価がついたのだ。

よし。

この調子で評価をドンドン上げて行ってやるぞ。


魔石の買取もまあまあ良かった。

俺はこの日で銀貨10枚を稼いだ。一日10万円相当も稼いだら、ぼろ儲けだよね!

しかし、魔物が多いこの世界はやはりリスクの高い仕事ではある。

命を張った見返りがこれだと言う事だ。

冒険者にさせてもらえて本当に良かったと思える。

他は皆チームを組んでいるようだが、正式な魔法持ちではない俺には、

誰ひとりとして近付いてこない。

まあ、良いのだけどね。スキルがばれてしまうと面倒だから。

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