第3話 洗脳
エリから監禁されて一日目 ここには窓が無いが、今は朝を迎えている頃だろう そして僕はゲームをしてた頃であろう
それが今や僕はエリに監禁されている
監禁だけではない、エリと一緒に手錠をつけられて、そしてヌルヌルした触手のようなものに体の自由に奪われて
昨夜は一睡もできなかった
もう色々な意味で疲れた
「エリ、もう疲れたよ、これ外してくれない…?」
「だめ、水保くん私のこと好きになってくれるまで外さないから」
「もう、やだよ......」
一応、昨日お風呂に入らせてもらったり、夜ご飯を食べさせてもらったりしたが、眠れないのは本当にきつい
「あ、そうだ。私今日、用事あったから2時間ほど出かけてくるね」
「え、ちょっと、その間僕は何をしてればいいの!?」
「とりあえず、待ってて」
「そんな......」
手錠がかけられて自由を奪われていたが、こうなると逆に暇になってくる
この閉鎖状態の暗い空間で何もすることが無い
これなら手錠をかけられた方がまだましだ
そしてさっきからうるさい
恐らく、エリがラジオみたいな場所から雑音を出しているのだろう
音が脳に響いて、頭が痛くなる
手足は縛られてるし本当に地獄だ
「早く帰ってきてくれ......」
2時間後・・・
「帰ってきたよー」
「あ、エリ、このうるさい雑音を消してくれ」
「えー、無理だよ。でも、水保くんが私のこと好きになってくれたら消して、外に出してあげる」
もう体が疲れた
早く家に帰りたい
「とにかく、水保くんが私のことを本当に好きになってくれるまで帰させないから」
「......」
1週間後......
「疲れた......」
エリに監禁されて一週間がたった
相変わらず僕は同じ状態になっている
変な触手に自由を奪われて、部屋がうるさくて、暗くて......
お風呂やご飯はエリに手伝ってもらってばかり
「はあ......」
......
ご飯はいつも僕の好きな物だけになっていて
お風呂は広いし
24時間、エリにくっついてばっかだし
「あれ......?」
そういえば、よくよく考えてみるとエリって可愛いんだよな
こんな可愛い子と一緒に入れるなんて自分は幸福なんだよな
「エリって、可愛いかも」
エリの顔を見てみた
エリもこちらを見てきた
透き通っていて、顔が整っていて、体がしなやかで
なんだか
「どうしたんですか?水保くん」
エリは笑顔を返してきてくれた
「......」
エリは可愛い
そう思うとこの状況もそんなに悪くないのかもしれない
この触手もエリが自分に特別にしてくれるものだと感じると、とても気持ちよくなってくる
この暗い場所だって、うるさい音だって心地よい
そうだ......何で気づかなかったんだろう、僕は幸せだ
そして......エリのことが好きだ
「エリ......」
「何ですか、水保くん」
「僕は、、、、エリが好きだ」
エリ、エリ、エリ、エリ、エリ......
最初は恥ずかしくて考えられなかったが、自分の気持ちに正直になった
「水保くん......、もっと言ってください」
「エリが好きだ、エリが好きだ、エリが好きだ、エリが好きだ」
「水保くん......、もっと、もっと、もっっっっっっっと言ってください!」
「エリが好きだ、エリが好きだ、エリが好きだ、エリが好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きだ、好きd......」
もう周りの音が聞こえない
エリのこと以外考えられない
もう何でもいいから、エリと一緒に居れば幸せだ
「好きだ、好きだ、好きだ」
「ははははははは、水保くんが私のことを好きって......」
「ははははははははは......」
僕の頭のどこかが切れる音が聞こえた
そこを最後に自分が無くなった気がする
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