第15話 ゴブリン討伐(2)


 ゴブリンの偵察隊から射撃によって仕留めていく。


 盗賊団は職業としては最下級の盗賊士があり、上級職のアサシン・ウッドシューター・シーフマスターのいずれかにレベルアップでき、さらにその上位の職がある。


 クリスタル・ゲージは既にシーフマスターとして認定されていた。


 通常攻撃の他に宝箱の解除・罠の解除・素早さアップ・運気アップ・クリティカルヒット確率上昇(中)といったスキルがある。


 元々持っていた武器も魔族からの略奪品でシルバーダガーに毒ダメージのバフがかかっているもので使いやすい。


 防具は革製の鎧しか装備できないが元々の持ち主のセンスなのか軽くて丈夫な高級レザーアーマーだ。


 ザボウが4人を引き連れ、クリスタル・ゲージが4人任された。


 ザボウの隊はウッド・シューターがメインで遠距離からゴブリンを一匹ずつ倒していく。


 

 ゴブリンはこちらの動きに気付き、ほぼ全てのゴブリンがクリスタル・ゲージの隊へ向かってくる。


 35匹対5人


 あまりにも劣勢だった。


 いつもこんな無茶な戦いをしているのだろうか。


 たしかにアジトでは毎日誰かの葬式をしている。



 背の低いゴブリンが手にしたこん棒で襲ってくる。


 クリスタル・ゲージは実戦にびびりながらも4人の命を任されているのだから逃げることはできない。


 シルバーダガーとレザーアーマーに助けられてどうにか一匹仕留めた。


 その間にもゴブリンは襲ってくる。


 仲間が殺されているにも関わらず恐れを知らない。


 ただ、恐れを知らないのは盗賊団も同じことだ。


 1人当たり3匹くらいのゴブリンを相手に奮戦ふんせんしている。


 クリスタル・ゲージの隊が引き寄せている間にザボウの隊が遠隔で一匹また一匹とゴブリンを倒していく。



 「あ」


 乱戦模様の中クリスタル・ゲージの隊の1人がゴブリンのこん棒をもろに頭に受けて倒れる。


 失神した彼を4匹のゴブリンが囲みとどめを刺しに行く。


 それを見た瞬間だった。


 ...コロス


 クリスタル・ゲージの中にいる何者かが意識を乗っ取った。


 神速の速さでゴブリンの首をシルバーダガーで刎ねる。小柄なゴブリンの首が遥か遠くまで飛んでいく。


 【悪魔の子】


 そう盗賊団からも恐れられるクリスタル・ゲージの姿。


 それから近くにいたゴブリンを殲滅するのに5分かからなかっただろう。




 ただし、仲間は1人失われた。

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